製薬のアラガン株が大幅安 シャイアー買収を検討と伝わる
【NQNニューヨーク=戸部実華】19日の米株式市場でアイルランドに本社を置く製薬大手アラガンの株価が大幅に続落して始まった。一時は前日比8.5%安の151.54ドルまで売られた。武田薬品工業が買収を提案したアイルランドの製薬大手シャイアーの買収で交渉を進めていると伝わり、買収合戦に発展すれば短期的な財務負担が増すとの警戒感から売りが出た。
ロイター通信が事情に詳しい人物の話として伝えた。アラガンがシャイアーに正式に買収を提示するかどうかはまだ不確かだという。ダウ・ジョーンズ通信は交渉は初期段階で、アラガンはシャイアーが上場する英国の規則に沿って5月17日までに買収案を正式に提示する必要があると報じた。アラガンは19日「シャイアーの買収の可能性を検討する初期段階にあるが、買収提案はしていない」との声明を公表した。
武田はシャイアーに総額427億ポンド(約6兆5000億円)で買収を提案したが、シャイアーの取締役会が拒否したことが19日明らかになった。武田は協議を続ける意向を示している。シャイアーの19日の声明によると武田から非公式の提案が3回あり、いずれも「企業価値などを過小評価している」として合意に至らなかったという。
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