<米国>グッドアールエックスが連日の大幅安、アマゾンの処方薬販売で
【NQNニューヨーク=戸部実華】(米東部時間13時46分、コード@GDRX/U)18日の米株式市場で処方薬の価格比較アプリを運営するグッドアールエックス・ホールディングスが連日で大幅安となっている。アマゾン・ドット・コムが処方薬のネット販売を始めたと17日に発表。競合激化が懸念され、株価は同日に22.5%安と急落し、18日も一時7.5%安の33.51ドルを付けた。投資判断や目標株価を引き下げるアナリストが相次ぎ、売りに拍車をかけた。
アマゾンの処方薬販売「アマゾン・ファーマシー」では、同社の有料会員は注文後2日間の無料配達や大幅な割引を受けられる。一方、グッドアールエックスは会員がアプリ上で薬局間の価格比較をしながら、クーポンを使って低価格で処方薬が買えるサービスを運営する。大手の薬剤給付管理(PBM)会社と組み、PBMが製薬会社と価格交渉して値引きを引き出している。消費者がアプリを使って薬局で処方薬を買えば、PBMからグッドアールエックスに手数料が支払われる仕組みだ。
ただ、アマゾンも大手のPBMと組んで低価格を実現しており、JPモルガンのダグ・アンムス氏は「グッドアールエックスと直接競合する」と指摘、今後数年分の業績予想を下方修正した。投資判断を「中立」から「売り」に引き下げ、目標株価は17日終値を2割下回る29ドルに設定した。価格面でアマゾンとの明確な違いを出せなければ「利用者は無料配送などの利便性を選ぶ」(シティグループ)との見方もある。
モルガン・スタンレーは投資判断を「買い」から「中立」に、目標株価を57ドルから36ドルに引き下げた。ドイツ銀行は目標株価を50ドルから31ドルに下方修正した。