<米国>イーライリリー16%高、乳がん治療薬に再発防止効果
【NQNニューヨーク=横内理恵】(コード@LLY/U)16日の米株式市場で製薬大手のイーライリリーが急伸し、前日比15.7%増の163.71ドルで終えた。一時は167.43ドルと過去1年(52週)の高値を付けた。乳がん治療薬「ベージニオ」の臨床試験の第3相で、特定の乳がん患者の再発と死亡を防ぐ効果が確認されたと発表した。米食品医薬品局(FDA)が承認すれば、大幅な販売拡大につながると期待された。
リンパ転移などがある早期乳がん患者約5600人を対象とした臨床試験で、再発防止の著しい有意性を示したという。年内にFDAにデータを提出する方針も示した。
市場では来年半ばにはFDAの承認が下りる可能性があり、想定していたよりも早いとの見方があった。同業のファイザーは5月に乳がん治療薬「イブランス」の再発防止効果が臨床試験で確認されなかったと発表していた。
ベージニオは米国では17年から乳がん治療薬として販売されており、19年12月期通期の売上高は約5億8000万ドルと前の期の2倍超だった。