プラチナ地金の1~6月販売量、前年同期比2.2倍 田中貴金属工業 - 日本経済新聞
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プラチナ地金の1~6月販売量、前年同期比2.2倍 田中貴金属工業

プラチナ地金の販売量が急増している。地金大手の田中貴金属工業では1~6月のプラチナ地金の販売量が前年2014年の年間販売量に迫る水準になった。欧州での産業用需要の減退懸念から現物価格が押し下げられ、地金価格は金を下回る。資産形成や投資目的で地金を買う個人をプラチナの「割安感」が後押ししている。

田中貴金属工業が15日発表した15年1~6月の同社のプラチナ地金の販売量は月間平均で700キログラムと前年同期の312キログラムの2.2倍となった。プラチナ買いのきっかけは、本来は割高となることが多いプラチナが金の販売価格を下回ったことだ。同社の地金販売価格(税抜き小売価格)は1月、プラチナが1グラム4799円となり、2013年4月以来1年9カ月ぶりに金価格(1月は1グラム4803円)を下回った。2月以降もプラチナと金価格の逆転が続き、傾向が定着し始めた3月から、田中貴金属工業でプラチナを求める客足が伸び始めた。

7月もこの傾向は続き、欧州のギリシャへの金融支援協議の混迷に中国株安が拍車をかけた8日はプラチナの地金相場が大幅に下落した。田中貴金属工業が独自に算出するプラチナの税抜き小売価格は同日、前日比154円下げた。田中貴金属工業傘下の販売店ではこの日、プラチナ買いの顧客で「店の前に行列ができた」店舗も出たという。

プラチナは金に比べ供給量が少なく、工業向けの需要動向で価格が変動しやすい。世界的な自動車の販売台数の回復で触媒需要に期待が高まった2010年5月にかけてプラチナ価格が上昇した局面などがきかっけとなり「プラチナを投資対象としてみる個人の投資家が増えている」(田中貴金属を運営するTANAKAホールディングスの広報担当者)という。

プラチナ価格は、今後も軟調な展開が予想されている。そのうえ、近年は「ヘッジファンドが9月ごろに手じまい売りを出す傾向がある」(フジトミの斉藤和彦チーフアナリスト)として、秋口に先物主導で相場の下げが加速するとの見方もある。プラチナの国際相場の低迷が続けば、割安感に着目する個人の地金人気が続く可能性が高まっている。〔日経QUICKニュース(NQN) 藤本葵〕

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