米政権、企業の懸念に配慮 対中制裁関税を一部延期

北米
2019/8/14 0:13
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【NQNニューヨーク=松本清一郎】トランプ米政権が対中貿易戦争での強硬姿勢を和らげた。米通商代表部(USTR)は13日朝、すべての中国製品に制裁関税を課す「第4弾」について携帯電話など一部製品への発動を12月15日に先送りすると発表した。当初は9月1日を予定していた。USTRは延期の理由を明確にしていないが、米企業の多くから寄せられた懸念や不満の声に配慮したとみられる。

制裁関税が先送りされるのは携帯電話、ノートパソコン、玩具、シューズなど。USTRは「いくつかの製品は関税の対象から完全に外される」と述べたとも伝わった。どの製品が課税対象から外れるかは明らかにしていない。

課税先送りを好感して米株式市場ではダウ工業株30種平均が500ドル超上げる場面があった。「iPhone」を中国で生産するアップルは5%超上げ、相場上昇をけん引した。対中貿易戦争が和らぐとの期待から、建機のキャタピラーなど中国売上高比率が高い銘柄の上げも目立つ。外国為替市場では円相場が対ドルで1円以上下落。一時、1ドル=107円近くまで円安に戻した。

トランプ大統領は8月1日、中国から輸入する3000億ドル分の製品に対する制裁関税の発動を表明した。これに対抗して中国は米国からの農産物の輸入を停止した。米中対立が経済を減速させるとの懸念が強まり、トランプ氏が関税発動を表明してから12日までにダウ平均は966ドル(3.6%)下げていた。

USTRは発動を前に産業界などから意見を募集していた。発動先送りについて「パブリックコメントやヒアリング過程の一部として決めた」としており、企業などから制裁関税がビジネスに深刻な影響を与えるとの声が相次いだようだ。米中貿易摩擦の終着点はみえないが、米市場では米政権は企業収益や米経済に配慮しながら政策を実施するだろうとの安心感が広がっている。

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