最新の市場情報

「※」は20分以上遅延
日経平均株価(円) 22,044.45 +83.74
日経平均先物(円)
大取,19/12月 ※
21,870 +70

日経チャンネルマーケッツでは、マーケット・経済専門チャンネル日経CNBCの番組をライブ配信。配信中の番組から注目のトピックスをお届けします。

「日銀の金融政策を解説」[映像あり]

ソニーフィナンシャルホールディングス 菅野 雅明

9月19日(木)14:09

FOMCを読む[映像あり]

三菱UFJ銀行 鈴木 敏之

9月19日(木)08:30

[PR]

豊島逸夫の金のつぶやき

フォローする

VIXと米国債、不気味な逆転シグナル

2019/8/13 10:55
保存
共有
印刷
その他

先週は危険水域とされる20の大台を下回っていた米国株の「恐怖指数」と呼ばれるVIX(変動性指数)。週明け12日に再び21まで上昇した。VIX先物は20、19、18と限月が後になるほど期近より安くなる「バックワーデーション」という現先逆転現象が生じている。これは市場が差し迫ったリスクを感じているのを示す。

マーケットは、米中貿易戦争が「停戦」となるシナリオならば「良し」としていた。しかし、双方譲らぬ、あるいは譲れぬ瀬戸際状態が長期化するとの観測が強まり、世界的な景気後退のリスクが切迫感を帯びてきた。

12日には大手投資銀行が、米国経済について相次ぎ悲観的見通しを公表した。ゴールドマン・サックスは2019年10-12月期の国内総生産(GDP)成長率の予測を2.0%から1.8%に引き下げた。1%台の数字に、投資家は減速にとどまらず景気が失速するシナリオを嗅ぎ取り、先取りして売りに動く。バンク・オブ・アメリカは今後12か月間のうちに米国経済が景気後退期に入る確率を30%程度と予測している。

一方、モルガン・スタンレーは今回の利下げサイクルの落としどころとして、再びゼロ金利近傍の可能性もあり得ると指摘した。

米連邦準備理事会(FRB)への不信感は根強い。そもそもパウエルFRB議長は、わずか半年ほどで引き締めから緩和へ転じた。そして今の利下げは、あくまで「予防的」と説明する。

しかし、マーケットは疑心暗鬼だ。はたして予防的措置で収まるのか。これまでFRBが後手後手に回ってきた印象が強く、予防注射でも立て続けに2本も3本も打たねばならぬほど、症状は悪化しているのではないか――との見方がくすぶる。

金融・財政政策の発動余地が狭まっているのが最大のリスクだろう。構造改革による労働生産性向上が望まれるが、動き出したとしても実効性が出るまで時間がかかる。即効性を望む投資家は待てない。

新たな地政学的要因として「香港」が浮上してきた。世界的なハブ空港である香港国際空港の実質的閉鎖は、ニューヨーク市場でも地政学的リスクとして意識され始めている。中国国営メディアが人民武装警察部隊の深圳への移動を撮影したとされる動画を公開したことも、切迫感を煽った。

いったん1トロイオンス1490ドル台まで利益確定売りで急落した金価格は、再び1510ドル台に急反騰している。

米10年物国債利回りも、今や景況感リスクを映す指標として市場の注目を集め、年末までには1.2%から1.3%台まで低下(価格は上昇)するとの観測も語られる。

米10年債利回りの低下が株売り、対円のドル売り、円買いを促すという負の連鎖が断ち切れない。

逆イールド現象も拡大中だ。いよいよ「真打ち」とされる10年債と2年債の利回りスプレッドまで逆転の兆しが強まった。実現すれば、まずアルゴリズムが「不況の前ぶれ」と認識するのは必至だ。12日には10年債が1.65%に対して、2年債が1.58%。その差はわずか0.07%。2年債利回りは政策金利との相関が強いのに対して、10年債利回りは市場の実勢で決まり経済の体温計とされる。その逆転は、景況感の悪化に、FRBの利下げが追い付いていない可能性を示す。

債券市場は悲観論で育ち、株式市場は楽観論で育つ。

マネーは育つ見込みのある市場に流入を続けている。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuo.toshima@toshimajibu.org

豊島逸夫が語り尽くす 金 為替 世界経済

出版 : 日経BP社
価格 :1026円(税込み)

日経電子版マネー「豊島逸夫の金のつぶやき」でおなじみの筆者による日経マネームック最新刊です。

豊島逸夫の金のつぶやきをMyニュースでまとめ読み
フォローする

保存
共有
印刷
その他

電子版トップマーケットトップ