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米欧2大リスク後退が運ぶ株高 短観悪化でも景気敏感株に買い

13日午前の東京株式市場で、日経平均株価は前日比569円高の2万3994円で午前の取引を終えた。年初来高値を上回り、節目となる昨年10月以来の2万4000円まであと1円強にまで迫る場面もあった。米中貿易交渉の進展や英国総選挙で保守党優勢を伝える報道が相次ぎ、投資家の姿勢が強気に傾いた。米欧発の2大市場リスク要因が後退し、年末株高に向け素地を固めた。

13日早朝の東京市場には、取引開始前から相場の流れを大きく変えるニュースが相次いで飛び込んだ。12日の米国株相場が「米中が貿易協議の第1段階で原則合意したようだ」との報道で大幅上昇。さらに米ブルームバーグ通信などが日本時間13日、一部関係者の話として「トランプ米大統領が対中制裁関税第4弾の全面発動を見送る米中間の部分的な貿易合意に署名した」と伝えた。

さらに英国からは、日本時間の午前7時に投票を締め切った英下院選挙の出口調査の結果として、与党・保守党が半数を大幅に上回る見通しとの報道が流れた。これらのニュースを受け、シカゴ市場で日経平均先物や米ダウ平均先物などが上昇。米国で債券安が進んだほか、外国為替市場では低リスク通貨とされる円が対ドルで売られ、一時1ドル=109円台半ばまで円安が進んだ。

株式・為替・債券市場の「リスクオン」急旋回に、景気敏感銘柄を中心に様々な銘柄に買いが広がった。1円の円安・ドル高で営業利益が年間400億円プラスとなるトヨタは2%高。人民元高を受け、中国関連銘柄とされる日立建機は年初来高値を付けた。金利上昇で恩恵を受けるとされる三菱UFJは3%高と急伸。1カ月ぶりに年初来高値を更新した。また中国での設備投資拡大に期待した買いで前日の米半導体株が上昇した流れを受け、東エレクが約2年1カ月ぶりに株式分割考慮後ベースで上場来高値を更新した。

取引開始前に発表された12月の日銀の全国企業短期経済観測調査で、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は大企業・製造業でゼロと前回調査や市場予想を下回ったが、判断の前提が変化したことで材料視されず、むしろ設備投資計画の増加が設備投資関連株の追い風となったようだ。

市場関係者にも、今回の動きはサプライズだったようだ。JPモルガン・アセット・マネジメントの前川将吾グローバル・マーケット・ストラテジストは「米中を巡り、既存の追加関税の削減が出てくるとは予想されていなかった。英国でも保守党が市場想定以上に議席を獲得する勢いで、市場には買い安心感が相当広がっている」と話す。

もちろん、相場急騰に浮かれる投資家ばかりではない。「米中協議の動向を気にして動くに動けなかったが、保有銘柄も上昇したのでひとまず利益確定売りをして、今年の取引は終えるよ」。30代の大手国内証券の営業担当者の元には、顧客からこんな冷静な見方が届いた。「昨年のクリスマスに日経平均は1000円下がっており、急落リスクへの警戒は必要。急激に上がりすぎた時こそ、持ち高調整が進みひずみは生まれやすい」(みずほ証券の三浦豊シニアテクニカルアナリスト)との警戒も根強い。しかし、市場を覆っていた不安の雲から、晴れ間がのぞき始めたことは確かなようだ。

〔日経QUICKニュース(NQN) 松井聡〕

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