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ビットコイン急落、先物一時1000ドル安 「価格操作」の指摘を嫌気

2018/6/11 15:12
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 インターネット上の仮想通貨ビットコインが日本時間11日未明の取引で急落した。3時すぎにシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の先物が一時1000ドルも下げ、現物のドル建ての価格はわずか1時間で600ドルも安くなり、6600ドル前後と4月7日以来の水準を付けた。ビットコイン先物の価格操作に関する疑惑が浮上し、先物と現物ともに売りがかさんだ。

 ビットコイン売りの発端は8日にさかのぼる。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)がこの日、米商品先物取引委員会(CFTC)の捜査局が複数の仮想通貨交換所に対し、価格操作の疑念が生じたとして取引データの提供を求めたと報道。週初の先物取引が始まった米中部時間の10日夕、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)では早速先物に売りが膨らんだ。一時6650ドルと前週末の清算値と比べた下げ幅が1000ドルに達し、つられてシカゴ・オプション取引所(CBOE)の先物価格も大幅安となった。

 WSJ報道によると、CMEが昨年12月にビットコイン先物の取引を始めるにあたり、一部の交換所での取引が価格形成をゆがめた可能性が指摘されている。CMEのビットコイン先物価格は欧州最大の交換会社ビットスタンプや米大手のジーダックスの提供データをもとに参考基準レートを決めている。仮想通貨の世界では交換所ごとに価格にずれが生じるのは日常茶飯事で、足元でも完全には解消されていないが、価格調整の機能が整った法定通貨に慣れている規制当局には「価格を操っているのではないか」と映ってしまう。ただでさえ仮想通貨は国際的な包括規制が存在しない「グレーゾーン」ばかりだ。

 市場では先物価格の算出について「参考価格を信頼できるデータ1つに絞るか、逆に対象にする交換所を増やして公平性を保つかのどちらかで透明性を向上させなければならない」(大和総研の矢作大祐研究員)との指摘が多い。ただ一度固まったシステムの体制はすぐには変えられない。そうなると仮想通貨の市場に対する当局の厳しい視線もすぐには和らがないとみるべきだろう。

 先物安に慌てたのが日本などの個人投資家だ。現物のビットコイン売りを急ぎ、価格急落を助長した。国内では差し入れた証拠金の最大25倍の「レバレッジ取引」が可能。相場急落で証拠金が足りなくなった個人が損失覚悟の売りを迫られた面もあるようだ。

 追い打ちをかけるように仮想通貨交換所への新たな攻撃が発覚し、投資家心理を冷やした。韓国のコインレイルで10日、複数のオルトコイン(ビットコイン以外のコイン)が流出したと判明。ビットコインとともにオルトコインもほぼ全面安となっている。

 コインレイルの規模は小さく、流出していないコインをネットから遮断したコールドウォレットへ移す作業も進んでいるため、市場全体への打撃は限られるだろう。だが5月から交換所へのハッキング事件が相次ぐ中、交換所を通じた取引への不安は増している。

 ビットコインの現物価格は先週、1ビットコイン=7500ドルを中心に比較的安定していたが、一瞬で崩れた。年初にかけて積みあげた買い持ち高を抱えている投資家の、潜在的な売り需要の強さが改めて意識されている。

〔日経QUICKニュース(NQN) 尾崎也弥〕

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