2019年7月21日(日)

FRB議長「失業率と物価の関係失われた」 雇用好調下の利下げを肯定

国際・アジア
2019/7/12 0:40
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【NQNニューヨーク=松本清一郎】米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は11日、米上院の議会証言での質疑応答で「失業率と物価の関係は失われた」と指摘した。失業率が歴史的な低さにある中でも、物価上昇を後押しするための利下げに前向きな姿勢を見せた。さらに「今の金融政策は緩和的とはいえない」と述べ、ハト派寄りの考えを鮮明にした。

米国の失業率は50年ぶりの低水準にある一方、物価はFRBが目標とする2%を下回る状態が続いている。パウエル議長は「失業率と物価の関係は50年前は強かったが、失われた」と指摘した。「(強い関係は)少なくとも20年前に終わり、関係はどんどん弱くなっている」という。

イエレン前議長は好況下でも物価が停滞し続ける理由を問われ「謎だ」とこぼした。FRBの事務方も物価伸び悩みは「一時的」と説明してきた。こうした経緯を踏まえると、パウエル議長は低インフレの常態化を認める踏み込んだ発言をしたといえる。

景気を冷やしもふかしもしない政策金利である中立金利について、パウエル議長は「我々が考えてきたより低い」と説明した。「(完全雇用状態を示す)自然失業率も我々が想定していたより低く、金融政策は我々が考えていたほど緩和的ではなかった」と述べた。利下げを全面的に肯定する発言といえそうだ。

FRBは6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で中立金利にあたる長期均衡金利の見通しを2.5%と、3月会合の2.8%から引き下げた。現在の政策金利の誘導目標は2.25~2.50%で中立金利とほぼ同じ水準にある。

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