黒田日銀総裁、2%目標の達成「直ちに出口に向かうわけではない」

2018/3/9 17:03
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日銀の黒田東彦総裁は9日の金融政策決定会合後の記者会見で、「(2019年度ごろとしている)2%の物価上昇率達成の見通しが実現しても、直ちに金融緩和の出口に向かうわけではない」と述べ、早期に金融正常化に乗り出すとの観測を打ち消した。「中長期的な物価の下振れリスクは高い」と、安定的に物価上昇が続くまで金融緩和を続ける考えを改めて強調した。

「物価情勢については下振れリスクもあるので慎重に状況を見て金融政策をやっていく」と緩和縮小を急がない姿勢を示した。「物価目標達成まで距離があり、出口について具体的に検討する段階にない」と強調したうえで、「物価上昇のモメンタム(勢い)が維持されていないなら追加緩和も検討する」とも述べた。

黒田総裁にとって今回の会合は4月8日の任期満了前の最後の会見となる。13年3月の総裁就任後の5年間の金融政策運営について「日本経済は大きく改善したが、物価安定目標は達成できなかった」と説明。政府は黒田総裁を再任する人事案を国会に提示しているが、「国会の同意を得て再び総裁に任命された際は、全力を挙げて目標達成にまい進したい」と抱負を述べた。

市場との対話のあり方にも言及。「金融市場を通じて政策効果が経済に波及するため、コミュニケーションが金融政策運営で重要だということは認識している」と説明した。政策目標などを示す際の市場との密接な対話の必要性を強調する一方、具体的な手段を明示して市場を誘導する「フォワードガイダンス」については「有効か適切かどうかは議論がある」と慎重な見方を示した。

最近の株価の乱高下など金融・資本市場の動揺については「ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)はしっかりしており、実体経済への影響は限定的」と語った。

19日の任期満了を控える岩田規久男副総裁と中曽宏副総裁については「2人の経験、知識を生かした有益な建設的な議論が金融政策の決定・運営に貢献した」と評価した。一方、次期副総裁候補となっている若田部昌澄早大教授と雨宮正佳日銀理事と新執行部が発足した場合の運営について「(政策は)同じ方向が望ましい」と、正副総裁の結束の重要性も指摘した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕

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