2019年5月20日(月)

自動車、円安で5社が最高益 世界販売に不安も
4~12月期決算

2015/2/9付
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国内自動車メーカー7社の2014年4~12月期の連結決算が9日出そろった。合計の営業利益は3兆7706億円となり、前年同期比13%増えた。北米中心とした販売増や円安を追い風に6社が営業増益を確保。うちトヨタ自動車富士重工業スズキマツダ三菱自の5社が4~12月期として過去最高を更新した。15年3月期通期も5社は過去最高を見込む。ただ、世界販売では日産自動車を含む6社が今期計画を下方修正するなど、不安の芽もじわり広がっている。

日産自動車は今期純利益を上方修正した(決算発表する日産自動車の田川常務執行役員、9日午後、横浜市西区)

日産自動車は今期純利益を上方修正した(決算発表する日産自動車の田川常務執行役員、9日午後、横浜市西区)

日産自がこの日発表した4~12月期決算は連結営業利益が前年同期比39%増の4179億円だった。これによりリコール(無償修理・回収)問題に揺れるホンダを除く6社が営業増益となった。最大の増益要因は昨年11月以降に急速に進んだ円安だ。為替変動による営業利益の押し上げ効果は14年4~12月期に7社で計約4140億円に達し、原価改善による増益額(約3722億円)を上回った。ホンダと、景気が減速している新興国での販売比率が高い日産自を除く5社は4~12月期に営業最高益を記録。通期も好調が続き、5社の営業利益は最高となりそうだ。

とはいえ、通期で営業益を上方修正したのはトヨタと富士重、日産自の3社にとどまった。ホンダが下方修正したほか、他の3社も据え置いた。背景には、今期の四輪車販売が計画通りに進んでいないことがある。決算ではスズキを除く6社が世界販売見通しを従来から引き下げた。特にトヨタとホンダ、三菱自、富士重、日産自の5社は今期2度目の下方修正だ。国内は消費増税後の販売回復の遅れが顕在化。海外では北米販売は好調だが、タイや中国など新興国での販売は下振れしている。

16年3月期に目を向ければ、「北米頼み」の現状には不安が残る。ホンダの岩村哲夫副社長、富士重の高橋充最高財務責任者(CFO)はそれぞれ決算会見で、15年の米市場全体の新車販売動向について「1670万台前後」を予測。信用力の低い個人向けの自動車版「サブプライムローン」などで「前倒し購入がされた」(岩村氏)として、13年比5.9%増えた14年の1652万台から伸びが鈍ると読む。円安の追い風は当面は続くとみられるが、国内各社は原価低減の取り組みの強化などが求められそうだ。

自動車7社の今期営業利益と世界販売計画
営業利益(前期比)
(従来見通し比)
四輪車世界販売(前期比)
(従来見通し比)
トヨタ(7203)2兆7000億円(18%)
(8%)
900万台(▲11.6万台)
(▲5万台)
日産自(7201)5700億円(14%)
(7%)
530万台(11.2万台)
(▲15万台)
ホンダ(7267)7200億円(▲4%)
(▲6%)
445万台(12.7万台)
(▲17万台)
スズキ(7269)1880億円(微増)
(-)
283.2万台(12.1万台)
(2万台)
マツダ(7261)2100億円(15%)
(-)
140万台(6.9万台)
(▲2万台)
三菱自(7211)1350億円(9%)
(-)
129.8万台(4万台)
(▲0.8万台)
富士重(7270)4100億円(26%)
(7%)
90.6万台(8.1万台)
(▲0.3万台)

(注)カッコ内は各社とも上段が前期比、下段が従来見通し比。営業利益は増減率、世界販売は増減台数。横ばいは(-)、マイナスは▲で示した。世界販売は原則卸売りベースで記載、決算公表値に基づく(日産自とマツダ、ホンダは小売り)。富士重は国内のみ小売り、スズキはインドなど一部地域以外は小売りベース。社名は証券略称で表示した。

〔日経QUICKニュース(NQN) 竹田幸平〕

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