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GDP、予想外の高成長で強まる息切れ懸念 改元と五輪で反動減へ

2019/8/9 12:42
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内閣府が9日に発表した4~6月期の国内総生産(GDP)は実質で前期比年率1.8%増と市場予想の0.4%増を大きく上回った。成長に寄与したのは、改元に伴う10連休中の旅行や10月の消費増税を前にした駆け込み需要、さらに東京五輪に向けた設備投資だ。いずれも一時的な要因で将来は反動減が懸念される。米中貿易摩擦で外需に頼れず、個人消費を柱とする内需が支えるという構図には期待できない。

今回プラスに最も働いたのは0.6%増となった個人消費で、GDP成長に0.3ポイント寄与した。エアコン販売のほか、改元に伴う10連休効果として宿泊業、運輸や航空業などが貢献したという。

住宅投資も0.2%増加した。金融機関が賃貸用不動産向け融資を厳しくしている影響で全体としては住宅着工数は振るわないが、持ち家は6月まで9カ月連続で増加した。「駆け込み需要がある程度発生している」(BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミスト)との見方が多い。新型車投入効果のあった新車販売も、増税前の駆け込み需要が一部にはあったとの見立てが聞かれる。

設備投資は1.5%増と、民間エコノミスト予想の平均(0.7%)を大きく上回った。内閣府によると土木など建設業が寄与したといい、「五輪向け建設がまさに動いている」(SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミスト)。

一方、外需はマイナスに寄与した。輸出は大幅に減少した1~3月期から小幅に反発するとの見立てが中心だったが、実際には0.1%減だった。貿易統計ではアジア向け半導体製造装置などが落ち込み、米中貿易摩擦で中国など海外需要の減速が鮮明になっている。輸入は前期の大幅減の反動で1.6%増加し、GDPを押し下げた。

「改元など特殊要因で『無理に』消費が喚起されているとしたら、消費増税が実施される10月以降の谷は深く長いかもしれない」(三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎主席研究員)――。

「無理に」という言葉は、特殊要因の反動は大きいという見立てだからだろう。というのも、既に消費マインドが冷え込んでいるからだ。内閣府の消費動向調査によると消費者心理を示す消費者態度指数は7月まで10カ月連続で下落し、約5年ぶりの水準に落ち込んだ。食品の値上げや年金問題で消費意欲は減退しているとみられる。景気ウオッチャー調査でも街角の景気実感は約3年ぶりの低水準だ。

前回の増税時とは異なり増税後に住宅ローン減税の延長など需要平準化策のメニューは多いが、実質賃金は伸び悩み、節約志向につながっている。米中貿易摩擦などで外部環境が深刻化する可能性が高まっており「10~12月期には景気後退期入りする足音が大きくなっている」(SMBC日興の丸山氏)との声も聞かれ始めた。

円高が加速して企業業績に対するリスクが顕在化すれば、10月の補正予算で経済対策が上積みされるとの読みもある。野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは「政府に協調して日銀は12月の金融政策決定会合などで、短期金利を引き下げる追加緩和の実施を余儀なくされるのではないか」と指摘する。予想に反して好調だったGDPは反動減や追加緩和観測を強める要因になりそうだ。

〔日経QUICKニュース(NQN) 高和梓〕

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