8月の実質消費支出、6.9%減 お盆の帰省自粛など響く
総務省が9日発表した8月の家計調査によると、2人以上世帯の消費支出は1世帯あたり27万6360円と、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比6.9%減少した。減少は11カ月連続で、2016年3月~17年5月(15カ月連続)以来の長さとなる。新型コロナウイルスの感染拡大が続いていることによるお盆期間の帰省などの移動自粛で、旅行や宿泊といったレジャー支出の落ち込みが目立った。

QUICKがまとめた市場予想の中央値(6.9%減)と同じだった。季節調整した前月比は1.7%増だった。
内訳をみると、帰省の自粛で鉄道運賃が79.0%減、航空運賃が95.9%減、宿泊料が47.1%減など、旅行関連費の減少が目立った。外食支出も落ち込んだ。一方、マスクやガーゼなどの保健用消耗品は増加が続いている。ゲームソフト等は79.5%増だった。
総務省は8月の消費支出について「新型コロナウイルス感染症の影響はまだ続いており、引き続き今後の動向には注視が必要だ」とコメントした。9月分の結果については19年9月に消費税率引き上げに伴う駆け込み需要があった反動が出るとして「前年同月比でみるとマイナス方向に強く引っ張られるのは間違いない」とも説明した。
勤労者(サラリーマン)世帯の1世帯あたりの消費支出は30万4458円だった。実質で6.7%減と、11カ月連続の減少となった。
8月の消費動向指数(CTI、15年=100)は、世帯消費の平均額の推移を示す世帯消費動向指数(総世帯)が実質で90.0と、前年同月比7.4%減少した。世帯全体の消費支出総額を推計する総消費動向指数は93.7と、前年同月比7.3%減少した。前月比では0.9%減少した。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕