1月の経常収支、655億円の黒字 貿易収支の赤字拡大で
財務省が8日発表した1月の国際収支状況(速報)によると、海外との総合的な取引状況を示す経常収支は655億円の黒字だった。黒字は31カ月連続。黒字幅は前年同月(5901億円の黒字)から89%減少した。黒字幅が縮小したのは16年5月以来8カ月ぶり。原油価格の上昇などで貿易収支の赤字幅が拡大したことが響いた。
貿易収支は8534億円の赤字(前年同月は4316億円の赤字)だった。原油価格の上昇や石炭の数量増で輸入額が10.0%増加。鉱物性燃料や自動車部品の増加で輸出も2.9%増えたが、輸入増加の方が上回った。
サービス収支は2357億円の赤字(前年同月は1862億円の赤字)だった。知的財産権などの使用料で大口案件の受け取りがなくなり、その他サービス収支の赤字幅が拡大した。訪日外国人の増加で旅行収支は黒字幅を拡大したが補えなかった。
第1次所得収支は1兆2655億円の黒字(前年同月は1兆3370億円の黒字)だった。大口の支払い増で直接投資収益が黒字幅を縮小した。円高で証券投資で受け取る配当金なども目減りした。〔日経QUICKニュース(NQN)〕