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トランプ氏、米中通商協議前に株安容認

2019/5/7 10:28
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米ニューヨーク(NY)市場は、極上の結果となった4月の米国雇用統計に自信を深め、中国側の譲歩に賭け、一時ダウ471ドル安まで下げたNY株を買い戻した。

10連休中に米国1~3月期の実質国内総生産(GDP)が3.2%増を記録し、5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見でパウエル議長が直近のインフレ率急落は「一時的」と繰り返したことも適温経済との安心感を醸成している。

とはいえ、中国側が国内で弱腰の誹(そし)りを受けず、一定のメンツを保ち、通商交渉を妥結させるシナリオはナロー・パス(狭い道)だ。

自国の台所に踏み込まれるごとき「検証措置」や、ハイテク覇権争いなどは、絶対に譲れないところだろう。

株価を政権の通信簿と位置づけるトランプ大統領だが、こと米中通商協議となれば、短期的株安はあえて容認の姿勢も透ける。

NY引け後には、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表が中国側に実質的に最後通牒(つうちょう)を突き付けた。

「今週10日の午前0時1分に追加関税発動」を再確認したからだ。中国側の「約束違反」がトランプ米大統領のツイートの背景にあることも示唆した。劉鶴副首相が9日ワシントンで開催予定の米中通商協議に予定通り参加する見通しも述べている。昨日は、この通商協議を中国側がキャンセル、あるいは、100人以上の随行団縮小の報道が上海株急落を誘発していた。リーダー格の副首相が同行するか否かが定かではなかった。9日にワシントン到着遅刻の可能性も語られ、随行団もワシントン行き航空チケットをギリギリ押さえているなどと市場では噂されていた。

このライトハイザー発言を受け、ダウ時間外取引が再び下げてきたが、昨日の今日で、市場は様子見姿勢だ。

上海市場からは、トランプ・ツイートに言及したSNS(交流サイト)書き込みが削除されるなどの事例が聞こえてくる。個人投資家の狼狽(ろうばい)売りの誘発を抑制する措置と解釈されている。「為替条項」の連想で、人民元も一日の下げ幅としては3年ぶりの下落となった。

上海株と人民元の相場を支えつつ、中小企業向け融資を促進させる預金準備率引き下げを打ち出し、軟着陸を図る綱渡りは続く。

6日をなんとか乗り切ったNY市場でも、緊張感は解けない。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
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