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景気先行き「緩やかに回復」継続 日銀総裁会見

日銀の黒田東彦総裁は7日の金融政策決定会合後の記者会見で、国内景気の先行きについて「緩やかな回復を続ける」という従来見通しを改めて強調した。鉱工業生産について「在庫調整の動きもあって、このところ弱めの動きとなっている」と、これまでの「基調としては緩やかな増加を続ける」との見方を下方修正。足元の景況感も「生産面を中心に弱めの動きが見られている」と、やや弱い見方を示した。国債上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(REIT)などのリスク資産を買い入れる「量的・質的金融緩和」については、「2%」の物価安定の目標の実現を目指し、安定的に持続できるまで継続するという従来の姿勢を維持した。

企業の景況感は「消費税率引き上げの影響などで改善に一服感がみられる」としながらも「総じて良好な水準を維持している」とコメント。設備投資も「緩やかに増加している」と、企業活動については生産や輸出面に弱い指標があるとしつつも、おおむね良好な水準を維持しているとの見方を示した。

一方、個人消費では駆け込み需要の反動の影響を「全体として和らいでいる」としながらも「ばらつきが伴っている」と述べた。消費面で影響の大きい住宅投資は「駆け込み需要の反動減が続いている」と、回復感が薄いとの認識を示した。ただ、家計と企業とも全体としては「景気の前向きな循環メカニズムはしっかり作用し続けている」と、基調に変化はないとした。

リスク要因は「新興国や資源国経済の動向や欧州債務問題の今後の展開、米国経済の回復ペース」と述べた。消費者物価については「しばらくの間、1%台前半で推移するとみられる」と、従来の見方を変更しなかった。

日銀は今回の金融政策決定会合で、マネタリーベースを年間60兆~70兆円に相当するペースで増加させる量的・質的金融緩和政策を続けることを委員の全員一致で決めた。会合では白井さゆり委員が、予想物価上昇率の記述について「足元では横ばいになっている指標が多くなっているものの、やや長い目でみれば上昇傾向は続いている」との表現にすべきであると反対した。

また7日の会合は、黒田総裁が参議院予算委員会に出席するため約1時間半中断した。総裁会見は予定通り午後3時半に始まった。通常は1時間程度続くことが多い。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

〈黒田日銀総裁の発言のポイント〉
・企業の業況感「改善に一服感も総じて良好な水準維持」
・「駆け込み反動影響から一部業種に在庫調整の動き」
・「景気の前向きな循環メカニズム、しっかり作用し続けている」
・景気「生産面を中心に弱めの動きも基調は緩やかな回復」
・輸出「弱めの動きとなっているが先行きは緩やかに増加」
・設備投資「企業収益改善の中で緩やかに増加している」
・CPI「しばらくの間は前年比1%台前半で推移」
・異次元緩和「2%目標の実現目指し必要な時点まで継続」
・CPI「14~16年度の中盤頃に2%程度に達する可能性高い」
・量的・質的金融緩和「所期の効果を発揮している」
・7~9月期成長率「プラスに転じるだろう」
・為替動向「実体経済への影響含め注意深くみていく」
・2%の物価目標「できるだけ早期実現との意図変わらず」
・物価上昇期待「量的・質的緩和以降、徐々に上昇している」
・「物価上昇への考え方や見通し変わっていない」
・原油安「中長期的には物価上昇率引き上げる」
・円安ペースの速さ「何か異常なことが起きてるわけでない」
・「2%達成される状況であれば特別に調整行う必要ない」
・「ファンダメンタルズに即した為替の変動はマイナスにならない」
・円安「これまでのところ、自然な為替の変動」
・原油・穀物の弱さ「生産増と新興国需要もたつきが要因」
・新興国経済「中国の成長は非常に弱いと言うことはない」
・会合の中断「引き続き関係各位の理解をいただきたい」

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