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株、日経平均は「割安にあらず」 PBR1倍は1万3600円、さらなる調整も

6日午前の東京株式市場で日経平均株価は大きく反落し、前場の安値となる前日比676円安の2万0652円で終えた。新型コロナウイルスへの警戒感から前日の米国株が急落し、投資家がリスク回避姿勢を強めた。米国株は大幅な上昇と下落を繰り返す「ジェットコースター相場」の様相を強め、不透明感から日本株への売り圧力は強い。株価指標から算定しても、日本株はまだ割安と言いづらい現実がある。

「これほど巨額の売り越しは2018年10月2日、バブル後の高値(2万4270円)を付けた後に調整した局面以来。今回の下落局面は調整の序章にすぎないのでは」。みずほ証券の三浦豊シニアテクニカルアナリストはこう話して、警戒を緩めない。

三浦氏が注視したのは、大阪取引所が5日発表した2月第4週(2月25~28日)の日経平均先物とTOPIX先物の投資部門別売買動向。海外投資家(外国人)の合算の売越額は1兆1189億円と、18年10月第2週(9~12日)以来およそ1年4カ月ぶりの高水準だった。

18年10月2日、日経平均は高値(2万4270円)を付けた後に調整が続き3カ月後の18年12月25日には1万9155円まで下落した。高値からの安値の下落率は実に21%だった。今回は20年1月20日に付けた昨年来高値(2万4083円)ときょうの午前終値(2万0652円)を比較しても下落率はまだ14%にとどまる。昨年来高値ベースで計算すると、1万9000円台まで下落する余地があることになる。

先週から外資系証券経由で大規模な売りが出ていた。そんななか発表された投資部門別売買動向に対し、市場がこれほど警戒を強めるのはなぜか。実は今週に入っても外資系証券を介した日本売りが続いているためだ。

JPモルガン証券とゴールドマン・サックス証券は、5日までに2020年3月物のTOPIX先物を差し引きで計1万5000枚を売り越している。東海東京調査センターの仙石誠シニアエクイティマーケットアナリストは「新型コロナの状況が改善するまで、海外勢の日本株売りは続くのでは」と警戒する。

13日に算出を控える株価指数先物・オプション3月物の特別清算指数(SQ)も波乱要因だ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘チーフ投資ストラテジストは「外資系証券が一層の売りポジションに傾いており、来週以降の日経平均はさらに下押しされて『波乱のSQ』となる可能性が高い」と指摘する。

指標面から見ても、実は日経平均は割安とは言いがたい。5日時点の日経平均株価の採用銘柄の加重平均ベースのPBR(株価純資産倍率)は1.02倍。多くの市場関係者が指摘する「割安」の根拠だ。ただ、単純平均型である日経平均の算出方法に合わせた指数ベースのPBRは同日時点で1.57倍だ。これをもとに後者が1倍となる場合を計算すると、日経平均は約1万3600円となる。

ある30代の個人投資家は「どちらに転ぶか分からない相場で、指標にも割安感はない」として、「主要の個別株は全て売却しており休むも相場だ」と話している。新型コロナによる売りの風圧が強い中、市場も投資家も割安さの判断をしきれず、先行きへの警戒感は募るばかりだ。

〔日経QUICKニュース(NQN) 松井聡〕

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