米「恐怖指数」が急上昇、15年8月以来の高水準 前週末の2倍超
【NQNニューヨーク=戸部実華】投資家心理を測る指標とされ別名「恐怖指数」と呼ばれる米株の変動性指数(VIX)が5日急上昇し、前週末終値の2.2倍にあたる37.32で終えた。中国の人民元切り下げで世界の株式相場が動揺した2015年8月24日以来およそ2年5カ月ぶりの高さ。5日の米株式市場で主要3指数が急落し、ダウ工業株30種平均は前週末比4.6%安、下げ幅は1175ドルと史上最大だった。多くの機関投資家が運用の指標に据えるS&P500種株価指数も4.1%安と急落した。
米長期金利の上昇を背景に株式相場の相対的な割高感が意識されている。資金流出への警戒感から、前週末にVIXは1年3カ月ぶりの高水準を付けていた。5日も米株式相場の急落が続き、株式相場の変動率拡大に対する警戒感が強まった。相場の変動率が低い状況が続き、オプション取引などで先行きの価格変動に備える市場参加者が少なかったのもVIX指数の急上昇につながっている。
VIXは米S&P500のオプションから算出する指数。相場が荒れる場面で上昇しやすい。20を上回ると投資家の不安心理が高まった状態だとされ、低下が行き過ぎると「投資家が相場の先行きに慢心している証拠」との指摘もある。米株式相場の上昇が続いていた17年11月には9.14と、シカゴ・オプション取引所(CBOE)が算出を始めた1993年以降の最低を付けていた。