2019年8月26日(月)

対中関税上げ 「日経平均2万2000円が上値抵抗線に」「トランプ流ディール」・市場の見方

2019/5/6 12:31
保存
共有
印刷
その他

トランプ米大統領は5日、中国の知的財産権侵害などを理由に2000億ドル分の同国製品に課す関税を、10日から現在の10%から25%に引き上げると表明した。米中交渉に対する楽観論が大勢を占めていただけに、外国為替市場で円高・ドル安が進行するなど早くも影響が出ている。10連休明けの日本株への影響について、市場関係者に聞いた。

■日経平均2万2000円が当面の上値抵抗線に

前川将吾・JPモルガン・アセット・マネジメント・グローバル・マーケット・ストラテジスト トランプ米大統領がツイッターに投稿している通り「中国の交渉が遅すぎる」ことへの不満からの圧力だろう。表明を受けて米中貿易摩擦の悪化を懸念して株価指数や為替への影響が世界で出ており、日本株への影響は必至だ。当面は2万2000円が日経平均株価の上値抵抗線となり、上値が重い展開が続くだろう。減税効果の剥落などによる年後半からの米景気減速シナリオは変わらず、後々ここが下げ相場の始まりだったということもあり得る。

そもそも連休前までの日経平均は、世界景気減速懸念の後退期待などある種の楽観的な見方が相場上昇を支えてきた。だが、中国国家統計局が4月30日発表した4月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が2カ月ぶりに悪化したうえ、米サプライマネジメント協会(ISM)が1日発表した4月の米製造業景況感指数が2年6カ月ぶりの水準に落ち込んだことで、足元では景気減速懸念が再び意識されやすくなっている。

連休明けの日本株は、海外の投機筋を中心とした売りやトランプ氏の関税引き上げ表明を受けた円高・ドル安の進行で輸出関連株を中心に売りが出やすい。日経平均は2万2000円を下回って始まるだろう。

■米雇用統計で心に余裕、トランプ流のディール

桂畑誠治・第一生命経済研究所主任エコノミスト 対中関税の引き上げ表明はトランプ米大統領流のディール(取引)だとみている。3日発表の4月の米雇用統計で雇用者数の増加が市場予想を上回るなど、好調な米景気が確認できたことでトランプ氏には心理的に余裕がある。米中通商交渉の最終局面で、さらに中国側に譲歩させようと、威嚇してくぎを刺すイメージだ。

10連休明けとなる日本の株式相場は、今夜の米株式市場次第ではあるが、下げて始まるだろう。短期的には、米中交渉が難航するとの懸念から不安定な展開が続きそうだ。仮に今週の劉鶴中国副首相の訪米が中止となれば、世界の株式市場には大きなマイナスインパクトとなる。

もっとも、米国も中国も経済へのマイナスの影響を避けるため、交渉の決裂は望んでいないのではないか。トランプ氏も交渉決裂による景気への悪影響については理解しているはずだ。両国はどこかで落としどころをみつけるはずだ。長い目で見れば、米景気は悪くなく、中国の景気刺激策の効果なども表れてくる。世界景気の持ち直しを背景に、株式相場も安定に向かうだろう。

〔日経QUICKニュース(NQN) 黒瀬泰斗、松井聡〕

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。