出光名誉会長、昭シェル40万株取得 経営統合阻止狙う
出光興産(5019)創業家の出光昭介名誉会長が昭和シェル株を40万株取得したことがわかった。創業家は出光と昭和シェルの経営統合に反対しており、出光が英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルグループ(RDS)から昭和シェル株を取得する計画を阻止するのが狙い。3日に記者会見した創業家の代理人弁護士が明らかにした。
出光はTOB(株式公開買い付け)を行わず、RDSが保有する昭シェル株33.2%を直接取得する予定となっている。ただ、昭介氏ら経営統合に反対する創業家は出光株を21.1%保有するため、出光と同一の株主グループとみなされる。今回、昭介氏が40万株を取得したことにより、株式取得後に出光グループが保有すると見なされる昭シェル株の持ち分が3分の1を超えるため、公開買い付け義務が発生することになる。事実上、出光が昭シェル株をRDSから直接取得することはできなくなる。今後、昭介氏は昭シェル株の追加取得も視野に入れているという。〔日経QUICKニュース(NQN)〕