大企業製造業DI、14年3月以来の高水準 3期連続改善、日銀短観
日銀が3日発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)は、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が大企業製造業でプラス17だった。前回3月調査(プラス12)から5ポイント改善した。改善は3四半期連続で2014年3月調査以来の高水準だった。世界的な景気拡大を反映した。業種別では石油・石炭製品や鉄鋼、非鉄金属業などの改善が目立った。為替相場が安定していることもあり、中小企業製造業のDIも改善した。
業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた値。6月の大企業製造業DIは、QUICKがまとめた市場予想の中央値であるプラス15を上回った。回答期間は5月30日~6月30日で、回収基準日は6月13日だった。
3カ月先の業況判断DIは大企業製造業がプラス15だった。米国での自動車販売の頭打ちやトランプ米政権の先行き不透明感などから、先行きには慎重な見方が強かった。
17年度の事業計画の前提となる想定為替レートは大企業製造業で1ドル=108円31銭と今の実勢レートより円高・ドル安だった。
大企業非製造業の現状の業況判断DIはプラス23と前回を3ポイント上回った。改善は2四半期連続。国内消費の底堅さが増す中で小売の景況感が改善した。都心の再開発が進み、建設関連は高水準を維持した。小売りや対個人サービスも改善した。3カ月先のDIは5ポイント悪化のプラス18だった。
中小企業は製造業が2ポイント改善のプラス7と07年3月以来の高水準だった。非製造業は3ポイント改善のプラス7だった。先行きはいずれも悪化した。
大企業全産業の雇用人員判断DIはマイナス16となり、前回(マイナス15)から低下した。DIは人員が「過剰」と答えた企業の割合から「不足」と答えた企業の割合を引いたもので、1992年2月(マイナス24)以来のマイナス幅となった。
17年度の設備投資計画は大企業全産業が前年度比8.0%増と、市場予想の中央値(7.4%増)を上回った。3月調査(0.6%増)からは増加幅が拡大した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
関連企業・業界
関連キーワード