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豊島逸夫の金のつぶやき

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ウォール街揺らした日本国債の入札不調

2019/10/2 10:21
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「円の長期金利が上がっている」

「JGB(日本国債)の入札が不調だったのか」

日本時間1日夕方(米国東部時間は早朝)に、ニューヨーク市場の債券ディーラーから連絡が入った。意外な時間の意外な人物からの問い合わせに筆者も当惑した。ウォール街が日本国債の動きにここまで注目することは異例だ。

そもそも欧米ヘッジファンドには過去に何回も日本国債に空売りを仕掛け、そのたびに失敗した苦い記憶がある。日本国債は「ウイドーメーカー(寡婦づくり)」とまで言われた。もう日本国債には関わりたくない、との思いが根強く残る。

しかし最近、外国人保有比率の高まりとともに再び日本国債が彼らの「レーダー・スクリーン」に入ってきた。国内長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは1日に一時、前の日から0.07%上昇しマイナス0.145%を付けた。

世界的に金利が低下傾向にあるなかで反転局面もあり、金利動向は視界不良になっている。このため日本国債も注目されるようになったのだ。1日はその後、欧米市場でドイツ国債も米国債も連鎖的に売り圧力がかかり利回りは上昇した。だが、米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した9月の製造業景況感指数が悪化し、米金利は再び急低下した。債券市場参加者にとっては、日本国債や米国の経済指標に振り回されて金利が乱高下する一日となった。

日本の金融政策にも関心が集まってきた。日銀の金融政策決定会合は、これまで欧米市場で話題になることがまれだったが、最近は会合当日の日本時間の昼ごろにニューヨークから問い合わせが入るようになった。午後3時半からのミスター・クロダの記者会見も注目されている。禅問答のごとき質疑応答になると、英訳では行間のニュアンスが伝わらない。見出しが誤訳されて世界中に流れ、市場に波乱が生じるリスクもある。

日本の消費増税も、ニューヨークの債券市場では財政規律の緩みに関する議論を蒸し返す成り行きになっている。彼らは基本的に日本情勢に疎いので、「消費税率はまだ10%と低い」ことが新鮮な驚きになっている面もある。

9月のISM製造業指数が47.8まで悪化し、1日のニューヨーク市場は統計発表直後から景色が激変した。2019年10~12月期に入った初日にいきなりパンチを見舞われたごとき反応で、「ISMショック」という表現もみられる。

昨年の10~12月期に市場が動揺した記憶が重なる。当時は市場との対話に不慣れなパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長による利上げと資産圧縮の継続示唆に、市場が振り回された。

今年になって、パウエル氏の発言は慎重になったが、トランプ大統領からの介入がエスカレートしている。1日も、ISM指数の悪化を受け「パウエルとFRBの利下げが足りないからドル高になり、米国製造業が被害を受けている。パウエルFRBは情けない。敵だ」とまでツイートしている。ISM指数悪化の最大の理由は自らが引き起こした米中貿易摩擦だが、来年の大統領選を視野に責任をパウエル氏に転嫁している。

投資家は、FRBが利下げしても、通商問題への懸念が払しょくできなければ経営者が設備投資に踏み切れない事態を懸念する。さらに影響が米国内の消費に波及するリスクも強まる。本丸である個人消費が崩れれば国内総生産(GDP)成長率の2%割れとなり、景気後退(リセッション)入りの確率が40%台に上昇などが現実味を帯びてくる。40%という数字は、リセッションと断言はできないが否定もできない、との意味が込められている。

もはや、経済指標の悪化が利下げ観測を強め株価を押し上げるという反応がみられなくなってきた。1日は10月利下げの確率が上がったものの、「悪いニュースは良いニュース」との受け止めは後退し「悪いニュースは悪いニュース」と素直な反応になっている。米中経済の共倒れリスクが意識され始めた。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
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