子育て・退職世代が節約志向 経済財政白書、投資も力強さ欠くと指摘
政府は2日、2016年度の経済財政報告(経済財政白書)をまとめた。個人消費がさえないことで国内が力強さを欠いていると指摘した。特に子育て世代や退職世代の節約志向が強まっていることを理由に挙げた。
石原伸晃経済財政・再生相が2日の閣議に提出した。
世帯主が39歳以下の子育て世代は将来への不安から所得が増えても消費は伸びにくいと指摘。60歳代前半の無職の世帯でも安定収入が少ないために消費が抑えられていると分析した。子育て世代の負担軽減や正社員と非正社員の格差是正や多様な就労の支援を促した。
個人消費の低迷に関してはまたリーマン・ショック後の過去の政策によって耐久消費財の需要が「先食い」された影響が長引いているとも指摘した。
白書は15年度の企業の経常利益が過去最高となった一方、設備投資がリーマン・ショック前の水準を下回っていることを指摘。売上高見通しや国の成長予想の低迷も設備投資を抑制しているとし、新たな成長分野の創出やコーポレート・ガバナンス(企業統治)向上などの必要性を訴えた。〔日経QUICKニュース(NQN)〕