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投信コラム

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下山さん 意志あるアクティブ運用(投信ブロガー)

2018/3/6 12:00
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自営業を営む下山さん(40代前半の男性)は都内の持ち家(住宅ローン無し)に住み、共働きの妻と夫婦2人の生活を送っている。「自分の人生は自分の力で切り開いていく」という気概をタイトルに込めたブログ「セルフ・リライアンスという生き方」には、試行錯誤の投資の末にたどり着いた「意志ある」アクティブ(積極)運用にまつわる話題や運用成果が書き込まれている。初めは指数連動型のインデックスファンドをコツコツ投資していたという下山さんに、投資スタイルががらりと変わったわけを聞いた。

■損して知った投信の分散投資・コツコツ投資

――今の投資に至る経緯を教えてください。

「投資を始めたのは、約15年前で20代後半、自営業を始める前のサラリーマンだった時です。仕事の収入以外で将来に向けた資産作りをする必要性を感じ、雑誌に掲載されている個別株を買ってみたり外国為替証拠金(FX)にも手を出したりしました。これといったポリシーもなく、投資信託にも興味はありませんでした」

「出だしは好調でしたが、米リーマン・ショックが起きて損が膨らみ、やる気を失いました。しばらくは塩漬けのほったらかし状態でした。株式投資には向いていないと悟りましたが、『何かをしなければ』という気持ちは残っていました」

「元本割れに直面したことで、自分に適した投資スタイルは他にあるのではないかと色々情報を探ってみました。そうこうするうちに、ファイナンシャルプランナーの方々の著書を通じて、投信の分散投資やコツコツ投資の考え方を初めて知り、これが自分に合っているのではないかと感じました。2010年の頃です」

「そこで始めたのがインデックスファンドのコツコツ投資です。国内・先進国・新興国それぞれの株式や外国債券、不動産投資信託(REIT)および金に投資するインデックスファンドを購入し、それらを世界の市場時価総額も参考にしながら資産分散していました(図A)

「今はインデックスファンドをすべて売却し、保有している投信は国内・先進国・新興国の株式でアクティブ運用するタイプのみです(図B)。ファンドの投資配分比率はおおよその割合で決めています」

■インデックス型では「意志ある投資」が無理

――アクティブ型中心へ変わるきっかけは。

「投資を通じて『いい会社』を増やしていこうという鎌倉投信の投資理念に共鳴したのが転機になりました。同社のことは周囲の投資仲間から話を聞く程度で半信半疑でしたが、じかに考え方を聞くうちに投資に対する考え方が、もうかることだけを目指していたそれまでと180度大きく変わりました」

「投資でもうかることはもちろん大切です。ただきれいごとに聞こえるかもしれませんが、もうかること以上に投資したお金に『意志ある使われ方』をして欲しいと、率直に思えるようになりました」

「投資というのはお金を通じた社会参加であり、個人の価値観を社会に反映する行為です。投資家の行動次第で社会も変わっていくので、『意志ある投資』で『いい会社』を選ぶのが大事ということです」

「これに対し、インデックスファンドだと投資先を選ぶことなく、社会的に問題のある企業にもお金が回ってしまいます」

「いい会社にお金が集まれば社会全体にもプラスだし、長期的に成長できる企業をしっかり選別する投信のリターンは悪くないはず、と考え方がまるっきり変わり、『いい会社探し』をアクティブ運用のプロに任せる今の投資スタイルに落ち着いたというわけです」

――商品選びではどのような点にこだわっていますか。

「自分の投資が社会にどのように影響するか、社会課題の解決に貢献できるか、という社会的なリターンの視点を持つようにしています。個別株を通じた投資にも関心はありますが、仕事に専念したいので、今は運用理念に共感でき、受益者とのコミュニケーションを大切にする運用会社のアクティブ型投信を購入しています。市場平均との勝ち負けはあまり気にしていません。運用成績にはおおむね満足しています」

「ESG(環境・社会・企業統治)を推進する団体の会員にもなり、定期的な会合や勉強会にも頻繁に参加し、広く情報収集しています。投信の運用内容と社会の持続的成長(サステナビリティ)への関わり方も、ファンド選びの判断材料になります」

「運用会社の報告会や投資先の企業訪問などに参加することも多く、そうした場で関係者と身近に接すると、自分の意志あるお金が社会の役に立っていると実感できます」

「社会貢献という意味では、途上国支援や国内の子ども支援に関わるNPOなど10近くの団体に年間計20万円ほどの寄付を続けています。小口資金をインターネットで集めるクラウドファンディングを通じた寄付で、共感できるNPOの活動を応援したり、ボランティアで活動に直接参加したりする機会も増えました」

「投信の他にも、全国各地で地域の様々な社会課題に取り組む企業を応援する小口出資のインパクト投資や、海外の中小事業者の成長を後押しするためにインターネット経由での小口融資で配当を受け取るソーシャルレンディングにも投資しています」

「これらの投資額全体に占める割合は低いですが、社会的なリターンの視点や事業への共感や応援の意味合いからも大切な『意志ある投資』です。運営会社のイベントに参加して直接話を聞くなど、信頼してお金を託せる事業者を選んでいます」

■毎月の積み立て投資。リスクに備えて現金比率は多め

――コツコツ投資を継続しているのですか。

「個人事業主なので個人型確定拠出年金(iDeCo=イデコ)で上限の月6万8000円を投資し、特定口座と合わせて毎月10万円台のコツコツ投資を継続しています。ただ、スポットで随時に投資することも時々はあります」

「少額投資非課税制度(NISA)とつみたてNISAは使っていません。今のところイデコで十分と考えています」

「ギリシャ危機などで含み損が膨らんだ時期にも積み立て投資を継続したので、その後の株価上昇・円安局面で含み益が大きく膨らみ、コツコツ投資の効果を実感しています。イデコも含めて、7年間の投信積み立てで元本に対して時価評価額は1.5倍程度まで増えました」

――投資を続けて今につながっている教訓はありますか。

「アベノミクスや円安局面で利益が急激に増えたのですが、利益が減るのが心配になり利益確定を急いだことがあります。心配の種はリスクを取りすぎであったと気づき、毎月の積立額を減らしました」

「自営業者ですし、株式投資などで失敗した経験があるので、ゆとりを持ってコツコツ投資を継続できるよう、現預金を多く持つようにしています」

■アクティブ型は低コストよりもノーロード

――低コストは重要ですか。

「私自身も信託報酬の高低が以前は気になっていました。低コストはこれから長く投資する若い人たちにとってはとても大事だし、コストに目がいく気持ちもよく分かります。ただ『いい会社』を選ぶアクティブ運用では、相応のコスト負担は必要と感じています」

「ただ私の場合、アクティブ型を購入する際には信託報酬よりも販売手数料を重視します。購入投信は大半がノーロード(無手数料)です。ESG関連投信の販売手数料は依然として高めなので、できればノーロードになるのを期待して待っているところです」

――「貯蓄から資産形成」が広がるには何が必要ですか。

「投資をギャンブルのように思っている人が多いと感じます。投資されたお金が企業の活動や働く人々を支え、巡り巡って社会生活を豊かにするために役立っていることを、小学校など早い段階から教えていく必要があると思います」

「現在、NISA、つみたてNISA、イデコと制度が乱立気味ですが、このようなお金の教育を通じて、投資の本来の役割を若い人たちに理解してもらうことが制度の一層の普及につながるはずです」

「投資は、資産形成と同時に、仕事とは違う形で社会と関わることができ、経済に対する視野も広がる、人生を豊かにしてくれるものだと思います。若いうちからコツコツ投資を生活の一部に取り入れてほしいです」

(QUICK資産運用研究所 聞き手は小松めぐみ、高瀬浩)

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