2019年3月21日(木)

日銀、異次元緩和「実質金利1ポイント弱押し下げ」 リポートで検証

2015/5/1付
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日銀は1日、2013年4月に始めた量的・質的金融緩和が、名目金利から予想物価上昇率を引いた実質金利を1ポイント弱押し下げたとの分析を公表した。13年1~3月期と14年10~12月期の平均値でみて名目金利である10年物国債利回りは0.3ポイント低下した一方、各種アンケート調査などから抽出した長期の予想物価上昇率は0.4~0.5%程度上昇したと指摘した。

企画局が金融経済の話題を解説するリポート「日銀レビュー」としてまとめた。「『量的・質的金融緩和』:2年間の効果の検証」と題し、異次元緩和の波及経路を予想物価上昇率の引き上げと同時に国債利回り全体に低下圧力をかけ、実質金利を押し下げると規定して効果を検証した。

リポートでは回帰分析や、需給ギャップと期待インフレ率から消費者物価指数(CPI)が導かれる関係に着目した「トレンドインフレ率アプローチ」、ある水準で金利が均衡するとの考え方に基づいた「均衡金利アプローチ」でも実質金利への効果を検証。いずれも1ポイント弱の押し下げ効果があったと結論づけた。

予想物価上昇率の上昇を伴って実質金利が1ポイント弱低下したとの前提で、日本銀行のマクロ計量モデルでシミュレーションしたところ、需給ギャップは1.1ポイント、CPIの前年比上昇率は0.6ポイント押し上げられたという。検証期間中の実際の需給ギャップは2ポイント、CPIは1ポイント上昇しており、リポートでは株価指数連動型上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(REIT)の買い入れなどが影響した可能性にも言及している。

日銀は検証結果から「各種の金融経済指標は想定されたメカニズムに沿った形で変化してきた」と指摘。一方で、消費税率引き上げの影響を除いた2月のCPI(生鮮食品を除く)の前年比上昇率がゼロ%まで縮小したことが予想物価上昇率に与える影響に懸念を示した。その上で「さらなる予想物価上昇率の引き上げが必要」との見方を示した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕

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