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米ロックダウン、世論は支持 日本へも一石

いまや米国人口の約8割が自宅待機状態に置かれている。

世論調査ではロックダウン(都市封鎖)支持が目立ってきた。

株価も国民が本当にこの厳しい規律を順守できるか次第の様相だ。

一部の国民が規律に反して外出すれば、「千丈の堤も蟻(アリ)の一穴より崩れる」可能性がある。ニューヨーク州とニュージャージー州の「感染爆発」がニューオーリンズなど他の大都市に波及する兆しがすでに顕在化している。

いっぽう、ワシントン州とカリフォルニア州は、早期ロックダウンに動いたので、オーバーシュート(爆発的な感染拡大)は回避できた。

日本時間1日朝に開催されたコロナ関連のトランプ大統領の定例記者会見では、医療専門家による各都市の感染拡大比較グラフの詳細な説明があった。

特に、米国立アレルギー・感染症研究所のファウチ所長(79歳)は今や国民的人気者でドーナツや靴下などの「ファウチ・グッズ」が販売されるほど。壇上でトランプ大統領に遠慮せず本音を語り、トランプ氏も一目置いているからだ。

そのファウチ氏が、コロナ死者数予測グラフでベストシナリオは死者10万~20万人。放置すれば200万人前後との予測を肯定した。トランプ大統領も「今後2週間はとてもとてもつらい」と述べた。

その結果、記者会見中にダウ時間外は約400ドル急落している。

トランプ氏は、さらに、一般人は、不足状態のマスクを医療関係者に譲るべきだとも語った。

デトロイトでは約500人の警官が感染している。

人工呼吸器も連邦政府が1万台を備蓄して、今後、緊急事態の州に迅速に発送できる態勢にある。

この人工呼吸器は各州が争奪合戦を繰り広げている。

日本時間1日早朝もニューヨーク州のクオモ知事が定例記者会見で、「各州が中国製人工呼吸器に買い注文を入れ、さながらオークションのごとく値が釣り上がっている」と憤りの発言もあった。本来なら米連邦緊急事態管理局(FEMA)がまとめ役に回るべきだとも批判した。

このような米国の惨状は、日本にとってももはや他人事ではない。

東京市場は米国に比べると周回遅れでロックダウンを織り込んでゆくことになりそうだ。

なお、ニューヨーク(NY)市場では31日に「金」の換金売り第2波が生じた。突然、金価格が1トロイオンス1610ドル台から1580ドル台まで急落したのだ。市場ではまだ資金需給がひっ迫して、株二番底への備えを象徴する動きと不安視されている。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuotoshima@nifty.com

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