2018年11月16日(金)

ギリシャ、銀行業務7月6日まで停止 資本規制

2015/6/29付
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【アテネ=竹内康雄】ギリシャのチプラス首相は28日夜、銀行の営業を29日から停止し、資本規制を導入すると発表した。ギリシャの財政破綻のリスクが拡大し、国内の金融システムへの不安が高まったため、資金の流出を防ぐ。観光や小売りなど経済全般が打撃を受けるのは確実で、国民生活にも影響が出そうだ。29日の外国為替市場では、ユーロは幅広い通貨に対して売られた。

ギリシャは6月30日までに国際通貨基金(IMF)に15億ユーロ(約2000億円)を返済しなければならない。首相は返済猶予を債権者側に改めて要請したことをテレビ演説で明らかにした。「私は民主主義に基づいた要求への(債権者側の)答えを待っている」と語った。

首相は資本規制を実施する期間や具体的手法には触れなかった。地元メディアによると、銀行休業は7月6日まで続く。停止中のATMは近く使用可能となる見込みだが、一日の引き出し上限額は60ユーロになるという。現金の国外持ち出しや送金にも制限がかかる見通し。銀行の休業には、国内からの資金流出に歯止めをかけ、金融機関の破綻を防ぐ狙いがある。アテネ証券取引所は29日は休場となる。

欧州中央銀行(ECB)は28日、ギリシャの銀行の資金繰りを支えるための緊急資金支援の上限額を現状維持と決定。900億ユーロとされる支援枠を引き上げなかった。銀行の営業を続けても現金引き出しに殺到する顧客に対応できないことから、首相は資本規制に踏み切らざるを得なかった。首相は「ギリシャ中銀が銀行を休業させ、預金の引き出しを制限するよう要請してきた」と説明した。

ギリシャ国会は28日、同国への支援の前提となる欧州連合(EU)側の財政改革案を受け入れるかどうかを問う国民投票を、7月5日に実施する計画を承認した。地元紙の緊急世論調査によると、改革案を受け入れる声は57%で、反対は29%だった。別のメディアでは賛成は47%、反対は33%だった。ギリシャ国民が国民投票を通じ、EUが求める改革案を拒否すればギリシャの債務不履行(デフォルト)やユーロ圏離脱はさらに現実味を帯びる。

EU側はなおギリシャの歩み寄りに期待を寄せる。メルケル独首相とオバマ米大統領は28日に電話協議し、「ギリシャがユーロ圏内で、改革と成長の道に戻ることが重要」との考えで一致した。欧州委員会は28日、財政改革案の内容を公表、ユンケル委員長は「ギリシャ国民の情報のため」と説明した。モスコビシ欧州委員(経済・財務担当)は「対話の窓口は常に開かれている」と述べ、ギリシャに交渉のテーブルに戻るよう促した。

資本規制は2013年3月、資金繰りに行き詰まったキプロスが実施したことがある。キプロス政府は2週間弱、銀行の営業を停止させた上で、その後は現金の引き出しを1日当たり300ユーロの上限を設定した。国外への送金や現金の持ち出しも制限した。すべての規制が終わるには2年を要した。

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