ウクライナ大統領が議会解散を発表 政治基盤を強化
【ミンスク=共同】ウクライナのポロシェンコ大統領は25日、大統領と対立する親ロシア派の勢力が根強い最高会議(議会)を解散すると発表した。新議会の選挙は10月26日に実施する。親ロ派は大幅に議席を減らす見込みで、欧州統合路線を掲げる大統領が政治基盤を強化するとみられる。
議会の解散は、東部で続くウクライナ軍と親ロ派武装組織との戦闘でも、政権側に有利な環境を醸成するとみられる。
大統領は「多くの現職議員は、分離主義者である武装勢力の後ろ盾、共犯者、支持者である」と批判、現行議会は既に民意を反映していないと訴えた。
しかし、欧州連合(EU)との連合協定批准など重要案件を処理するため、新議会が発足するまで現行議会は活動を続けると説明した。連合協定批准法案は9月に提案する見通しだ。
最高会議は昨年12月の時点で、親ロシアのヤヌコビッチ政権の与党を形成していた地域党が定数450のうち207を占めていた。ことし2月の政変後は複数の新会派に衣替えしたが共産党などとともに、5月の大統領選挙で当選したポロシェンコ氏への抵抗勢力を形成していた。
ウクライナ憲法では議会で与党会派が過半数に届かない状態が30日続くと、大統領は議会を解散できる。