習近平VS李克強、始まった前哨戦
編集委員 中沢克二
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中国最高指導部の面々にとって一年に一度だけの晴れ舞台である3月の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)。繰り返される全体会議で隣り合わせに座る中国国家主席の習近平と、首相の李克強はただの一度も握手することもなく、まともな会話もなかった。視線さえ合わせない。
全人代代表とテレビの前の視聴者の視線を一身に集める場だけに異様だ。普通、仲が悪くても、大人なら皆の前では体裁を繕うため笑顔で握手ぐらいはする...

経済や安全保障面で米国の一極支配を打破しようとする中国の習近平政権の中枢で何が起きているのか。習国家主席による腐敗撲滅政策の狙いなどを的確に報じ、「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞した中沢克二・日本経済新聞編集委員(元中国総局長)が深掘りする。