2019年1月24日(木)

カトリック司教会議、離婚・同性愛への姿勢変えず

2015/10/25付
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【ジュネーブ=原克彦】カトリック教会の総本山であるローマ法王庁(バチカン)が今後の家族観などを問う「世界代表司教会議」は24日、通常総会で離婚者や同性愛者への姿勢をほぼ従来通りに堅持する報告書をまとめた。ローマ法王フランシスコはかねて歩み寄りの姿勢を示していたが、保守派の司教らに阻まれた。一連の改革を進める法王にとって、もっとも難しい問題であることが浮き彫りになった。

フランシスコ法王は報告書の提出を受け演説し、「本当に教義を守るのは、教義の文書よりも精神を支える者であることに気付かされた」などと語った。保守派の枢機卿や司教への不満と受け止められている。

世界に約12億人の信者を抱えるカトリック教会は離婚・再婚を認めていない。このため離婚経験者は「聖餐式」と呼ぶ重要な儀式に参加できない。総会では司教らが法王の意向をくんで離婚者の聖餐式への参加を認めるかが焦点になったが、保守派の司教らが猛反発し軌道修正には至らなかった。

司教会議は2014年10月の臨時総会で、同性愛者への歩み寄りを盛り込んだ中間報告を最終報告書で大幅に修正し、従来路線に引き戻した経緯がある。今回は家族に同性愛者がいる人への配慮を記したものの、同性婚は認めないと強調した。

カトリック教会では法王の決定が全てで、フランシスコ法王が今後の決定で司教会議の報告書に従う必要はない。ただ、司教会議が繰り返し方針転換を拒んだことで、一気にバチカンの教義を変えるのは難しくなったとみられている。

司教会議は世界から約300人の司教らが参加して4日に始まった。25日に終了する。カトリック教会は欧米のほかに南米やアフリカにも多くの信者がおり各国・地域の社会への影響も大きく、会議の結果が注目されていた。

開始直前には同性愛者であることを告白したバチカン教理省の高官が解雇され、物議を醸した。期間中にはイタリアのメディアが、フランシスコ法王を診断した日本人の医師が脳腫瘍を確認したと報道し、バチカンが全面否定する騒ぎもあった。

報告書への欧米メディアの反応は割れている。米ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は離婚者の聖餐式への参加を認めなかったことから「法王が敗北を手渡された」と報じた。一方、報告書は離婚者について「教会の活動に融合できるかを考えるべきだ」とも記しており、英BBCは「重要問題で妥協に達した」としている。

カトリック教会は離婚を認めないものの、信者の婚姻が無効だったと認定されれば再び結婚しても聖餐式に参加できる。法王は婚姻無効化の手続きが長すぎるとの声が多いのに配慮し、9月に手続きを簡素化することを決めていた。

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