2018年4月25日(水)

「ソフトターゲット」守れ サミット警備2万3千人

2016/5/24 17:26
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 警察当局が最も警戒しているのは、駅や空港など警備が比較的緩やかな場所、たくさんの人が集まる「ソフトターゲット」対策だ。

サミット期間中のコインロッカーの使用中止を知らせる貼り紙(19日午前、JR東京駅)

サミット期間中のコインロッカーの使用中止を知らせる貼り紙(19日午前、JR東京駅)

 サミットの主会場となる賢島(三重県志摩市)から陸路で約150キロ離れたJR名古屋駅(名古屋市)。駅構内を歩けば、台上の警察官が行き交う通勤客や観光客の間に目を光らせるほか、多数の制服姿の警察官が巡回している。コインロッカーは封鎖され、ホーム上のゴミ箱は撤去した。

 「厳戒態勢」は全国の主要都市に広がる。警視庁は警備部以外の全部門から人員を招集。普段は私服姿の警察官らが制服を着用し、東京駅などの巡回警備にあたる。不審者や不審物の早期発見につなげるため、民間企業と協力し、高感度カメラなどのハイテク機材を取り入れるという。

 大阪ではテーマパークのユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)がサミット期間中、開業後初めて手荷物検査を実施する。

 不特定多数の人が集まる駅や空港などは、テロリストが利用客の間に紛れ込む可能性が高く、テロの狙いを専門家は「世界中を動揺させるのが目的」と指摘する。

 過去には、2005年の英グレンイーグルズ・サミットでは開催地から遠く離れた首都ロンドンでテロが発生した。狭い日本列島は、他の国からみれば、どこでテロが起こっても伊勢志摩からは近い。ソフトターゲットの警備強化の背景には、警察当局に「テロに狙われるのは開催地だけではない」との危機意識がある。

 伊勢志摩サミットの警備態勢は最大約2万3千人。国内の地方開催としては、北海道・洞爺湖サミット(2008年)などを上回る過去最大級の規模だ。テロやハイジャックの際、現場に突入し、犯人制圧などにあたる特殊急襲部隊「SAT」を投入。ドローン迎撃部隊、NBC(核・生物・化学)テロ専門部隊、銃器対策部隊など、あらゆるテロに対処できる数々の精鋭部隊が見えない脅威に立ち向かう。

 賢島だけでなくオバマ米大統領が訪問する被爆地・広島、主要都市と、「3正面の警備」といった難しい対応も迫られる。三重県警の森元良幸本部長は「日本の警察の力量も問われかねない。絶対に守り抜くとの強い決意でサミットに臨む」と強調する。(江藤俊也)

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