脱原発のドイツ、民間の廃炉負担2.6兆円 政府が閣議決定

2016/10/20 5:39
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【フランクフルト=加藤貴行】2022年までの脱原発を決めているドイツ政府は19日、電力会社の廃炉などにかかる費用の総額を235億5600万ユーロ(約2兆6600億円)とすることを閣議決定した。電力会社が国の設立する基金に資金を拠出し、核燃料廃棄物の処理を含めた費用に充てる。民間が運転してきた原発の廃炉に関しては、政府が基金を介して主導する形になる。

法案の成立を経て、基金は来年に正式に発足する予定。国内で原発を運転してきたエーオン、RWE、EnBWの独3社とバッテンファル(スウェーデン)が廃炉費用として引き当てた計173億8900万ユーロが基金に支払われ、費用が増えるリスク分として61億6700万ユーロも追加する。

独政府は11年の福島第1原発の事故を受け、22年までの段階的な脱原発を決めた。この方針決定前から廃炉にかかわる官民の費用負担が明確でなく、電力会社の費用が一気に膨らむ懸念から株価が急落するなど資本市場にも影響が出ていた。

エーオンは19日、「政府の決定を歓迎する。数十年にわたる論争に終止符を打つ社会的な合意ができる可能性がある」と声明を出した。同時に費用を確定するため、早期の法案成立と、電力会社と政府の間の直接の契約が必要だと指摘した。

半面、緑の党や環境団体は、核燃料廃棄物の最終処分場が決まらないなか、貯蔵コストが膨らむリスクを指摘してきた。今回政府が決めた額を上回った場合でも、電力会社に負担を求められるようにすべきだとの声もある。

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