2018年10月17日(水)

FRB、利上げ見送り 世界経済の不透明感を警戒

2015/9/18付
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【ワシントン=矢沢俊樹】米連邦準備理事会(FRB)は17日開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、焦点となっていた利上げを見送り、事実上のゼロ金利政策を維持することを決めた。声明は「最近の世界経済と国際金融市場の動向は(米国の)経済活動をいくらか制約し、短期的にはインフレ率への下押し圧力をさらに高めよう」と指摘。中国の成長減速懸念など新興国経済を巡る不透明感が強まっている現在の状況への警戒姿勢を鮮明にした。現段階では米利上げで世界的な金融市場の混乱を招くリスクを避け、慎重に内外の情勢を見極める構えを示した。

ゼロ金利維持は9対1の賛成多数で可決した。反対票を投じたのは今回、利上げを主張したリッチモンド地区連銀のラッカー総裁のみだった。

市場では米雇用と経済成長率の堅調な回復が続いていることからFRBが今回のFOMCでおよそ9年3カ月ぶりの利上げに踏み切るとの見方も出ていたが、ひとまず10月下旬の次回FOMC以降に判断を持ち越した。市場の関心が集まっていた事実上のゼロ金利解除の基準について声明は、雇用とインフレ率に「さらにいくらかの改善」がみられた時に利上げが適切になる、と前回の声明をそのまま維持した。今後の景気データ次第で利上げを判断する姿勢を堅持し、利上げのタイミングを新たに示唆するような材料も声明には盛り込まなかった。

声明は米経済について「穏やかなペースで拡大している」と説明。家計支出と企業の設備投資は穏やかに増加し、住宅部門もさらに改善したと表現した。米雇用と経済活動の先行きは安定しているとする一方で、「海外での動向を監視している」と加え、ここでも中国をはじめとする対外金融・経済情勢への不安を強くにじませた。

メンバーによる政策金利予測分布をみると、2015年末時点の金利水準(中央値)は0.375%が7人(6月は5人)と最も多かった。年内に一度の利上げを支持する勢力が多数派だったことを示す。年2回の利上げを支持するのは5人だった。

また、同日改定した中期経済見通しでは、15年の実質国内総生産(GDP)伸び率が2.1%と、6月時点予測の1.9%から0.2ポイント引き上げた。FRBが重視する同年のインフレ率(エネルギー・食料除くコア指数)見通しは6月時点の1.3%から1.4%へやや引き上げたが、17、18両年の伸びはともに下方修正した。FRBが目標とする2%に到達するのは18年になってからで、物価上昇圧力が強さを欠く状態が長引きそうだ。

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