独政府、中国・美的のクーカ買収に不介入表明
【フランクフルト=加藤貴行】ドイツ政府は17日、中国家電大手の美的集団による独産業ロボット大手クーカの買収に関し、「買収が公共の秩序やドイツの安全保障に危険を及ぼすとは考えられない」との声明を出した。政府内には中国への技術流出への警戒から美的の出資比率を49%に抑える案もあったが、介入しない方針を明確にしたことで買収実現に一歩前進した。
ガブリエル独副首相兼経済相が同日、テレビ局で「(美的の)買収に対抗する手続きは取らないことを決めた」と述べ、政府も声明でこの方針を確認した。ガブリエル氏は美的がTOB(株式公開買い付け)を発表した5月、別の欧州企業による買収提案が必要と説き慎重派とみられていた。
美的は今月8日、TOBの結果、クーカの株式の94.55%まで取得したと発表している。
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