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16年度の実質成長率は0.7%、17年度は0.8% NEEDS予測
増税延期で駆け込み消え、緩やかな成長へ

2016/6/16 15:30
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日本経済新聞社の総合経済データバンク「NEEDS」の日本経済モデルに、内閣府が6月8日に発表した2016年1~3月期の実質国内総生産(GDP)の2次速報値を織り込んで予測したところ、16年度の実質成長率は0.7%、17年度は0.8%の見通しとなった。

1~3月期の実質GDPは前期比0.5%増(年率換算では1.9%増)。設備投資や消費が上方修正され、1次速報から0.1ポイント(年率換算では0.2ポイント)の上方修正だった。

6月1日に、安倍晋三首相が消費増税を19年10月まで延期する方針を示したことを受け、今回の予測ではこの再延期を織り込んだ。このため、従来見込んでいた、17年3月までの消費や住宅などの駆け込み需要、17年4月以降の駆け込みの反動減などはなくなった。

16年4~6月期の日本経済は、消費がうるう年効果の反動で低下することなどから一時的に減速しゼロ成長となる。ただ、消費は7~9月期以降回復し、設備投資や輸出も緩やかな伸びが続くと見込む。消費増税前の駆け込みがなくなったことで、16年度の実質GDP成長率は0.7%と前回予測より0.2ポイント低下するが、17年度は0.8%となる見通しだ。

■消費は7~9月以降に緩やかに回復

6月7日に日銀が公表した4月の消費活動指数(季調値)は前月比0.8%上昇だった。一方、6月13日に発表された4月の商業販売額指数の小売業(確報、季調値)は前月比0.1%減だった。足元の消費は実勢では横ばい程度と見ているが、GDPベースの4~6月期の消費は1~3月期のうるう年効果の反動で前期比マイナス0.2%を見込んでいる。

ただ、6月3日に公表された4月の実質賃金指数(現金給与総額、調査産業計、速報)は前年比0.6%増と3カ月連続して前年を上回っている。所得の下支えにより7~9月期以降、消費は前期比0.2~0.3%の伸びが続いていく。消費増税延期で17年3月までの駆け込みがなくなるため、16年度の実質消費は前年度比0.3%増となった。一方、17年度の実質消費は、駆け込みの反動減などがなくなるため、前年度比1.0%増となる見込みだ。

■足元の輸出は円高で伸び悩み

為替レートは6月には1ドル=105円台に入る局面もあり円高が進んだが、今後は米国景気の底堅さが確認されれば、四半期では110円程度に落ち着くとみている。

6月3日に公表された米国雇用統計(季調値)では非農業部門雇用者増加数が前月比3.8万人と10年9月以来の低い水準にとどまった。しかし、同時に公表された失業率(季調値)は4.7%と前月に比べ0.3ポイント低下しており、労働市場が悪化したわけではない。米国経済は当面堅調に推移するとみている。中国経済も底割れは避けられそうだ。6月13日公表の5月の主要経済統計によると、工業生産は前年比6%増、消費品小売総額(名目)は前年比10%増で、いずれもこれまでと同程度の伸びを維持している。

足元の円高の影響もあり、4~6月期の輸出は前期比0.4%減と一時的にマイナスとなるが、7~9月期以降は安定的に推移し、16年度の実質輸出は1.2%の伸びになるとみている。

■経常利益は伸び鈍るが設備投資は堅持

6月1日に財務省が発表した法人企業統計によると、16年1~3月の経常利益(季調値)は前期比6.8%減で3四半期連続して前期を下回った。一方、同調査の設備投資(ソフトウエア除く、季調値)は前期比1.4%増と2四半期ぶりにプラスに転じた。本予測では16年度のGDPベースの設備投資は前年度比1.3%増を見込んでいる。

(デジタルメディア局)

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