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16年度の実質成長率は0.6%、17年度は0.8% NEEDS予測

2016/8/15 17:24
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日本経済新聞社の総合経済データバンク「NEEDS」の日本経済モデルに、8月15日に内閣府が公表した2016年4~6月期の国内総生産(GDP)速報値を織り込んで予測したところ、16年度の実質成長率は0.6%の見通しとなった。

16年7~9月期以降、消費が所得の伸びなどに支えられ、堅調に推移すると見ている。輸出は円高により前回予測より下方修正となった。また、企業収益にもブレーキがかかり、設備投資に押し下げ圧力が働く。なお、8月2日に決定された経済対策は16年度末から執行が始まり、17年度に効果を及ぼす。17年度の実質成長率は0.8%の見通しになった。

■実質GDPは前期比横ばい――16年4~6月期

16年4~6月期の実質GDPは、前期比0.0%増(年率換算では0.2%増)とほぼ横ばいだった。1~3月期がうるう年効果で高めだった分、前期に比べて伸びは鈍った。

実質民間最終消費支出(個人消費)は前期比0.2%増だった。耐久財とサービスの増加が寄与した。住宅投資も同5.0%増と3四半期ぶりの前期比プラスで、家計部門の需要はいずれも前期比プラスとなった。設備投資は前期比0.4%減と2四半期連続の前期比マイナスとなったが、民需の成長への寄与度は0.2ポイントとなった。

公共投資は前期比2.3%増と、2四半期連続で前期を上回った。政府最終消費支出などと合わせた公的需要の成長への寄与度は0.1ポイントだった。

輸出は前期比1.5%減と2四半期ぶりのマイナスとなった。輸入は同0.1%減で、外需の成長への寄与度はマイナス0.3ポイントだった。

16年4~6月期の実質GDPは、家計部門の好調と公的需要の後押しに対し、企業部門、外需の不調が足を引っ張り、横ばいにとどまる形となった。

■消費は安定基調に

6月の個人消費関連の経済指標は、家計調査の実質消費(除く住居等)と内閣府の消費総合指数は前月比0.4%増、日銀の消費活動指数も同0.2%増と、そろって前月比プラスだった。消費者マインドを示す景気ウオッチャー調査の家計の現状判断DIも、7月は4カ月ぶりに上昇に転じた。英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)決定で6月に大きく低下した同先行き判断DIも回復した。

8月5日に公表された毎月勤労統計による6月の現金給与総額(調査産業計、5人以上)は前年比1.3%増だった。実質賃金指数は同1.8%増と5カ月連続して前年比プラスを続けている。所得の底堅さに支えられ、16年度の消費は前年度比0.7%増、17年度は同0.8%増と安定基調での推移を見込んでいる。

■円高で16年度の輸出は下方修正

本予測では10~12月期以降の為替レートの想定を前回予測より円高の105円に変更した。4~6月期のGDPベースの輸出が前期比マイナスとなったこともあり、16年度の輸出は前年度比0.2%増と下方修正した。

ただ、輸出の失速は想定していない。底堅い海外経済の成長に支えられ、緩やかに回復する見込みだ。7月29日に公表された4~6月期の米国実質GDP(季調値)は前期比年率1.2%増にとどまったが、消費は同4.2%増と6四半期ぶりの高い伸びだった。また、8月5日に公表された7月の雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比25.5万人増と底堅さを維持し、米国経済は安定した成長が期待できる。

■円高が企業収益にブレーキ、設備投資にも波及

日本経済新聞社が8月10日までに集計した上場企業の16年4~6月期の決算は、前年同期比2割弱の経常減益だった。円高が輸出企業を中心に企業収益のブレーキになったもようだ。消費回復などで非製造業の業績回復は見込まれるものの、企業収益全体の伸びは低下しよう。企業収益の伸び悩みにより、16年度のGDPベースの設備投資は前年度比0.6%増と、前回予測より下方修正した。

(デジタルメディア局)

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