アリババ会長「グローバル企業目指す」 欧米開拓に力
香港上場見送りは「準備や調整不足」
【香港=粟井康夫】米国市場での新規株式公開(IPO)を準備している中国の電子商取引最大手、アリババ集団(浙江省)は15日、香港のホテルで投資家向け説明会を開いた。これに先立ち、創業者の馬雲会長は記者団に、米国上場を契機に欧米市場の開拓に力を入れ「グローバル企業を目指す」と語った。
香港上場を見送った理由について記者団に「タイミングの選択を間違えたり、準備やコミュニケーションが不足したりしていた」と語った。香港取引所が「一株一票」原則の見直しを検討し始めたことに関しては「尊重したい」と語った。
アリババは当初、香港取引所への上場を目指していた。だが馬会長ら経営陣が約14%の株式しか持たないにもかかわらず取締役会の過半を任命できるとする「パートナー制」の容認を要求。香港の証券監督当局が株主権の平等に反すると拒否し、米国上場に切り替えた経緯がある。
資金調達額が最大約240億ドル(約2兆5000億円)とインターネット企業で過去最大規模のIPOを逃したショックは香港市場で尾を引いている。香港取引所は8月末、「一株一票」原則を見直すべきかどうか意見募集を始めた。