2019年1月19日(土)

70年談話「反省とおわび」言及 歴代内閣の立場堅持

2015/8/14付
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政府は14日夕の臨時閣議で、70回目の終戦記念日を迎えるのにあたって安倍晋三首相談話を決定した。先の大戦での行為について「繰り返し、痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明してきた」と指摘したうえで「歴代内閣の立場は今後も揺るぎないものだ」と表明した。戦後生まれが人口の8割を超えているとして、子孫に「謝罪を続ける宿命を背負わせてはいけない」とも記した。

談話は「事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては、もう2度と用いてはならない」と不戦の誓いを宣言。同時に「植民地支配から永遠に決別し、すべての民族の自決の権利が尊重される世界にしなければならない」とした。そのうえで「先の大戦への深い悔悟の念とともに我が国はそう誓った」と強調した。

先の大戦での国内外の犠牲者について「深く頭(こうべ)を垂れ、痛惜の念を表すとともに永劫(えいごう)の哀悼の誠をささげる」と表明。具体的な事例には触れずに「戦場の陰には、深く名誉と尊厳を傷つけられた女性たちがいたことも、忘れてはならない」とも指摘した。

今回の談話をめぐっては、戦後50年の村山富市首相談話と60年の小泉純一郎首相談話に記された「植民地支配」「侵略」「反省」「おわび」というキーワードがどのような形で引き継がれるかが注目された。これらの文言はすべて盛り込んだ形だ。ただ村山談話や小泉談話とは異なり「侵略」や「植民地支配」に関しては日本の行為との文脈では触れなかった。

1920年代の世界恐慌後に日本が「外交的、経済的な行き詰まりを力の行使によって解決を試みた」と指摘。1931年の満州事変や国際連盟からの脱退に触れ「新しい国際秩序への挑戦者となっていった。進むべき針路を誤り、戦争への道を進んで行った」とした。

インドネシア、フィリピンなど東南アジアや台湾、韓国、中国などを挙げ「苦難の歴史を胸に刻み、戦後一貫してその平和と繁栄のために力を尽くした」と強調。戦争の苦痛を受けた中国人などとの和解に触れ「心からの感謝の気持ちを表したい」と表明した。

首相は「唯一の戦争被爆国として、核兵器の不拡散と究極の廃絶をめざし、国際社会でその責任を果たしていく」と強調。今後、自由や民主主義などの基本的な価値を堅持し「積極的平和主義の旗を高く掲げ、世界の平和と繁栄にこれまで以上に貢献していく」と宣言した。

首相は記者会見で「政治は歴史に謙虚でなければならない。政治的、外交的な意図で歴史がゆがめられることがあってはならない」と語った。談話の作成にあたって首相の私的諮問機関である「21世紀構想懇談会」(座長・西室泰三日本郵政社長)がまとめた報告書について「歴史の声として受け止めた。提言の上に立って教訓をくみ取り、めざすべき道を展望した」と述べた。

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