ローマ法王とロシア正教トップ、1054年の東西分裂後初会談
キューバで
【サンパウロ=宮本英威】カトリック教会を率いるローマ法王フランシスコと、ロシア正教会の最高位にあるキリル総主教が12日、キューバの首都ハバナの国際空港で会談を始めた。キリスト教会が1054年に東西に分裂して以降、両トップが会談するのは初めて。中東の過激派組織「イスラム国」の勢力拡大で迫害されているキリスト教徒の保護について話し合う。
ローマ法王庁(バチカン)、ロシア正教会の双方が直面している課題に対して、協調して取り組む姿勢を打ち出すことになりそうだ。会談後には両者が共同宣言に署名し、それぞれが演説を予定している。
両者がハバナで会うことになったのは、キューバのカストロ国家評議会議長が会談を仲介したためだ。ローマ法王は15年9月、キューバでカストロ議長と会談した際、キリル総主教との会談に向けて協力を呼びかけた。法王は米国とキューバの交渉を仲介し、2015年7月の国交回復を後押ししてきた経緯がある。