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OPEC・非加盟国、15年ぶり原油協調減産合意

【ウィーン=黄田和宏】石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟の主要産油国は10日、ウィーンのOPEC本部で閣僚会合を開き、15年ぶりに協調減産で合意した。11月末のOPEC総会での減産合意を受けて、ロシアなど非加盟国も減産で協力する。非加盟国全体で日量60万バレル弱を減産する方針で、OPECと合わせて世界生産の2%近くを削減し、原油市場の需給改善を後押しする。

OPECと非加盟国による協調減産での合意は、米同時テロで原油需要が落ち込んだ2001年以来となる。共同議長を務めたロシアのノワク・エネルギー相は「今回の合意は開かれており、市場安定のためにその他の産油国も参加できる」と、会合に出席しなかった産油国にも合意の枠組みへの参加を呼びかけた。

非加盟国ではロシアが減産を主導。11~12月の生産量を基準に、17年前半に日量30万バレルの減産に応じる。メキシコは10万バレルの減産で協力するほか、オマーンやアゼルバイジャン、カザフスタンなども生産を減らす。協調減産には非加盟の11カ国が参加し、合計で当初の目標である日量60万バレルをやや下回る55万8000バレルの減産にこぎつけた。

協議に参加した非加盟国の生産量を合計すると2015年時点で日量1800万バレル強。OPECと合わせて、世界生産の6割強の産油国が減産で協力する。すでに、OPECは11月末の総会で日量120万バレルの減産に合意しており、合計の180万バレル弱の減産は世界生産の2%弱に相当する。

OPECと非加盟国は今回の合意を受けて、来年1月から6カ月間減産を実施する。OPECは加盟国全体の原油生産量を日量3250万バレルまで削減する。また、減産の実施状況を確認するため、アルジェリア、クウェート、ベネズエラのほか、非加盟のロシアとオマーンの5カ国で構成する監視委員会を設置する。

原油市場では、OPECの減産合意を受けて、相場上昇に弾みがついている。国際指標の北海ブレント原油先物の期近物は一時1バレル55ドル台と、1年4カ月ぶりの高値圏に上昇している。OPECと非加盟国は今回の合意をきっかけに協調体制を構築し、相場の上昇基調を維持したい考えだ。

すでに、OPEC加盟国とロシアは関係強化の動きに出ている。ロシア最大の国営石油会社ロスネフチは7日、政府系ファンドのカタール投資庁とスイスの資源商社グレンコアに株式の2割弱を売却することで合意した。OPEC加盟国がロシアに投資する前例は少なく、協調機運の高まりや原油相場の上昇が投資を促し始めた。

サウジも国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)を計画しており、株式の売却を円滑に進めるために、原油高を維持したい意向が強い。

一方、減産の実効性には課題が残る。米エネルギー情報会社S&Pグローバル・プラッツによると、OPECの11月の原油の生産量は日量3386万バレルと過去最高を更新した。足元では政情不安などによる生産量の落ち込みで減産の適用を除外されているナイジェリアやリビアの生産に回復の兆しも出ている。これらの増加が続き、OPECの減産に不透明感が強まれば、非加盟国の不満が高まるおそれがある。

非加盟国による減産の一部は、油田の老朽化による自然減などが含まれている可能性もあり、市場が減産の実効性に懐疑的になれば、原油相場の上昇機運が崩れる懸念もある。

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