国内製造業、IoT一段の進展必要 経営者ら討論
「世界ICTサミット2016」(日本経済新聞社・総務省主催)は6日、「IoTが変えるものづくり」をテーマにICT(情報通信技術)やものづくりの企業幹部らがパネル討論を行い、日本の製造業でも、あらゆるモノがつながる「IoT」の一段の進展が必要という認識で一致した。登壇者からはドイツや米国などIoT先進国に対して日本が遅れている現状に危機感を示す意見も目立った。

センサーやカメラで収集したデータを分析し、製造現場などで活用する取り組みが進むなか、コニカミノルタの山名昌衛社長は「世界の標準化競争に乗り遅れると本当の付加価値が付けられなくなり、日本は下請けに甘んじてしまう」と語った。米デル日本法人の平手智行社長も「仕組みを早く定義した者が覇権をとる状況だ」と同様の認識を示し、数多くのデータを接続して生産性を高めるために「部品レベルの識別情報の整理を、国を挙げて取り組む必要がある」と述べた。
SOLIZEの古河建規社長は「設計の現場でもデジタル技術を使わないと、日本の優れた製造技術が『宝の持ち腐れ』になる」。インドIT(情報技術)サービス大手、タタ・コンサルタンシー・サービシズのレグーラマン・アヤスワミー副社長は「デジタル技術によって製造だけでなく、バリュチェーン全体を見られるようになった」と語った。米プロトラブズ日本法人のトーマス・パン社長も「標準化が進めばものづくり全体を戦略的に考えられるようになる」と指摘した。
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