2019年2月21日(木)

英議会、シリア空爆参加を可決 「イスラム国」掃討へ

2015/12/3 7:56 (2015/12/3 14:23更新)
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【ロンドン=小滝麻理子】英下院は2日夜(日本時間3日朝)、過激派組織「イスラム国」(IS=Islamic State)を掃討するために、英空軍をシリア空爆に参加させる政府動議を賛成多数で可決した。ロイター通信によると、英空軍はシリアでの空爆を開始した。パリ同時テロを受け、ISのシリア領に対する軍事行動で米国やフランスなどと足並みをそろえ、包囲網をさらに強化する。

賛成は397票、反対は223票。キャメロン首相率いる与党保守党の大半が支持した。最大野党労働党は空爆の是非を巡り分裂。コービン党首らが強く反対する一方で、英国放送協会(BBC)によると「影の外相」のベン氏を含む66人が賛成に回った。

下院では同日、空爆の必要性や有効性、法的根拠などについて10時間以上にわたって激しい議論が交わされた。キャメロン首相はツイッターで「下院は英国の安全を守るために正しい決断をした」と承認を歓迎した。

議会承認後まもなく、キプロスの英空軍基地からトーネード戦闘爆撃機4機が出動。ロイター通信は英政府筋の話として、シリアでの空爆を開始したと報じた。英政府は地上軍の投入は否定している。

英国は米主導の有志連合とともに昨年からイラク領で空爆を続けてきた。だが、11月のパリ同時テロを受けて、キャメロン首相は、空爆をシリア領にも拡大する必要性を訴えていた。ドイツも後方支援のための派兵を閣議決定したばかり。シリアへの空爆を強化する米仏とともに、西側諸国はIS掃討へ「結束」を示し、包囲網を強める動きを加速している。

一方、シリア空爆を巡っては、ロシアがアサド政権を支援する目的で空爆を開始。ただ米軍が支援する反政府勢力を攻撃しているとされ、同政権の退陣を求める欧米との溝も浮き彫りとなり、波乱要因になっている。

英国の最新の世論調査では、約5割がシリア空爆参加を支持。今年6月にチュニジアの観光地で起きたテロで多数の英国人が犠牲になったこともあり、世論も空爆に理解を示す向きがある。一方で、軍事行動の拡大ばかりで、政治的な解決の枠組みが見えないとの批判も強まっている。

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