2017年11月24日(金)

谷川会長「ほっとしている」 電王戦、棋士初の勝ち越し
ソフトの弱点突く

囲碁・将棋
2015/4/11 13:16 (2015/4/11 20:20更新)
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 プロ棋士5人とコンピューター将棋ソフト5種が戦う団体戦「将棋電王戦FINAL」の第5局が11日、東京・渋谷の将棋会館で指され、阿久津主税八段がソフト「AWAKE」を破った。対戦成績は3勝2敗となり、プロ棋士側が電王戦において初の勝ち越しを決めた。電王戦は2013年から5対5の団体戦となり、過去2年はプロ棋士が負け越していた。

将棋電王戦でコンピューターソフト「AWAKE」に勝利し、インタビューを受ける阿久津八段(右)(11日午前、東京都渋谷区の将棋会館)

将棋電王戦でコンピューターソフト「AWAKE」に勝利し、インタビューを受ける阿久津八段(右)(11日午前、東京都渋谷区の将棋会館)

 双方2勝2敗で迎えたこの日の将棋は、持ち時間各5時間にもかかわらず、開始からわずか49分、たった21手で終わった。阿久津八段の誘いに乗ったAWAKEが、自分の角を死なせる順に飛び込んでしまい、開発者の巨瀬亮一氏が潔く投了した。巨瀬氏は「もしこう(角が死ぬ形に)なったら、投了しようと思っていました」と話した。

 巨瀬氏は、かつてプロ棋士を目指した元奨励会員。はっきり不利になり勝ち目がないと判断したという。

 角が死ぬ順は「AWAKEがハマリやすい筋」として知られていた。阿久津八段自身、ソフトの弱点をつくことに「もちろん葛藤もあった」が、2勝2敗で迎えた最終戦とあって「(事前の研究の中で)いろいろ調べて一番勝算の高い形」を選んだという。初の勝ち越しを決めたことに関しては、「素直にうれしいという感じではないのですが、とりあえずよかったなと」と語った。

 日本将棋連盟の谷川浩司会長は「初めてのプロ棋士の勝ち越しにまずほっとしています。対局者それぞれがソフトの特性を詳細に研究し、調べつくした成果だと思います」とコメントした。

 現行の5対5の団体戦形式での電王戦は今回が最後だが、主催者であるドワンゴの川上量生会長は終了後の記者会見で、「電王戦は何らかの形で続けていきたい。日本将棋連盟と協議していきたい」と話し、別の形式での開催を検討していると明かした。

 記者会見の席では、巨瀬氏が「(今日の阿久津八段の指し手は)アマチュアが指したハメ形。プロがこれを指すというのは、プロの存在意義を脅かすことになるのではないか」と阿久津八段を批判。だが、観戦者を魅了するのがプロだという美意識と、勝ちにこだわる勝負師としての態度を両立するのは難しい。

 この日の将棋に限らず、今回の電王戦では第2局の永瀬拓矢六段が成れる角を成らずにソフトのバグを生じさせるなど、コンピューターと人が戦うことの異様さがたびたびあらわになった。ドワンゴの川上会長は「人とコンピューターの関係を世に問うことが電王戦のテーマ。今回の電王戦はいろんな問いを投げかけてくれたと満足している」と振り返った。

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