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格安スマホ、安さのワケは?

イチ子お姉さん格安(かくやす)スマートフォンの利用者が増えているわ。国内では100万台を突破したそうよ。月々の利用料が大手の半額以下のものもあるわ。
からすけ すごく安いのなら、僕(ぼく)もお小遣(こづか)いで使えるかもしれないな。でも、どうしてそんなに安くできるんだろう。安さの秘密を知りたいな。

携帯大手の設備を間借り

イチ子 からすけはスマートフォン(スマホ)で何がしたいの?

からすけ やっぱりゲームかな。あと、友達とメールや交流サイト(SNS、キーワード)をしたいな。

イチ子 そんな理由ではお父さんとお母さんが許可しないわよ。通話やメールをしたり、SNSなどインターネットのサービスが使えたり、といった機能は格安スマホでも普通(ふつう)のスマホと同じ。一番分かりやすい違いは販売(はんばい)している会社かしらね。格安スマホは大手の携帯(けいたい)電話会社ではなくて、家電量販店やスーパー、インターネット通販の会社などが手掛けているわ。

料金設定に工夫、合えば割安に

からすけ 姉さんのスマホは大手の携帯会社と契約(けいやく)してたよね。

イチ子 私の場合、スマホの利用料は毎月6000円くらいね。明細書を見ると税抜きで通話料が2700円、インターネットなどのデータ通信料が3500円で割引もあるわ。通話定額制(キーワード)だから電話はかけ放題だし、データ通信の料金も毎月ほぼ決まっているの。大手と呼ばれる携帯会社の料金体系はほとんど変わらないわ。

からすけ 格安スマホだったら?

イチ子 会社によって違(ちが)うけど、例えばデータ通信量が月2ギガバイトまでなら1000~2000円くらいから。通話料は30秒につき20円が主流ね。インターネットはメールやSNSがほとんどで、自分から電話をかけることが少なければ、大手の半分以下で済むこともあるわ。

からすけ 半額ですんじゃうのか。どうしてそんなに料金が違うのかな。

イチ子 理由の一つは、格安スマホは通信回線を大手の携帯会社から借りているの。

からすけ 回線を借りるってどういうこと?

イチ子 スマホや携帯電話を使えるようにするには、基地局から電波を飛ばしてスマホの端末(たんまつ)に接続したり、基地局からインターネットや通話相手に接続したりする設備が必要よ。格安スマホ会社は電波や通信設備を使えるようにしてもらっているの。だから端末以外の設備は基本的に大手と同じよ。

からすけ 安いからつながりにくいってことはないんだ。

イチ子 そうね。大手はこうした設備を整えるために毎年何千億円という単位のお金をかけているの。でも、格安スマホの会社は携帯会社の設備を借りているから、それほどお金をかけずに事業を始められるわ。

からすけ なんかずるい気がするなあ。

<キーワード>
 SNS ソーシャル・ネットワーキング・サービスの略。友人や共通の趣味を持つ人と交流する。フェイスブックなどが有名。
 通話定額制 通話する時間や相手にかかわらず月々の通話料金が一定となる仕組み。2014年夏から本格的に広がっている。

イチ子 設備を借りる側もちゃんとお金を払っているのよ。それに、料金設定の仕方にも工夫があるの。

からすけ どんな?

イチ子 例えばデータ通信量の上限を抑えているの。高速道路に例えるとイメージしやすいかも。大手携帯会社の場合は制限速度が時速100キロメートルで目的地まで行ける。格安スマホは最初は時速100キロメートルでも、途中(とちゅう)から時速50キロメートルになったりするの。それほど多く使わない人なら格安スマホで問題ないわ。

からすけ 使い方次第ってわけだね。

イチ子 そうね。でも、誰もが格安スマホに切り替(か)えると安くなる、というわけでもないの。様々な料金プランの中から自分に合ったものを選ぶと安くなる、というのが正確ね。

からすけ 姉さんも格安スマホに乗り換えるの?

イチ子 実は迷っているの。理由の一つは今、使っている電話会社のメールアドレスが使えなくなることかな。あと、家族で同じ会社と契約した場合の割引もないの。

からすけ 格安スマホの利用者が増えたら、大手が意地悪をして回線を貸してくれなくなったりしないの?

イチ子 日本国内で使える電波には限りがあるから、皆が便利に使うためのルールがあるの。電波の利用を管理している総務省では、2016年に大手以外の会社によるスマホなどの契約を、13年末の2倍にあたる約1500万件に増やす目標を立てているわ。その頃にはからすけも晴れてスマホを持てるかもしれないわね。

開発の陰で姿消す商品も

豊島岡女子学園中学高等学校の神谷正昌先生の話
 家電製品の歴史を振(ふ)り返ると、絶えず新しい技術が開発されて新製品が販売される一方、姿を消していった製品があることに気がつきます。1980年代には家庭用印刷機「プリントゴッコ」が年賀状の印刷などで大活躍(だいかつやく)し、文字を入力し活字を印刷するワープロが普及(ふきゅう)しました。しかし、これらは90年代後半に広まった家庭用のパソコンにとって代わられ、現在ではほとんど見ることができません。
 また、外回りのビジネスマンと緊急連絡(きんきゅうれんらく)をとるために重宝されていたポケベルは、90年代にコミュニケーション機器として若者の間で流行しましたが、携帯電話の普及で急激に廃(すた)れていきました。格安スマホの登場によってスマホがさらに普及していけば、従来型の携帯電話もいずれは姿を消してしまうのかもしれません。
今週のニュースなテストの答え 問1=太平洋クロマグロ、問2=炭素繊維
[日経プラスワン2014年11月22日付]

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