名古屋城天守閣の木造復元、竹中工務店案を採用 名古屋市

2016/3/30 2:00
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名古屋城天守閣の木造復元構想で、名古屋市は29日、竹中工務店の事業計画案を採用したと発表した。総事業費は約470億~500億円。完成は、市が条件とした東京五輪・パラリンピックの開催前の2020年7月とした。木造復元の具体化に向け、一歩前進することになる。今後は事業費の財源を巡り、市民の理解や議会の同意がカギを握りそうだ。

河村たかし市長は同日の記者会見で、「寸分違わぬ復元ができる。400年たって名古屋城がよみがえる。全体の経済効果も大きい。世界中から観光客がおいでになる」と意気込んだ。

竹中工務店の技術提案書によると、木材調達では原則国産で、一部外国産を使用する。車いす利用者向けに4人乗りの小型エレベーターを設置。取り外しが可能な形とし、史実に忠実な復元との折り合いを付けた。さらに、復元過程はオープンデッキで見学できるようにしたという。

総事業費は石垣を積み直す必要が出てきた場合などに、最大で約500億円を見込んだ。市の試算約400億円を上回る。河村市長は「これは入札の値段ではない。これから減額の交渉をする」と話した。

市の有識者検討会では、応募があった竹中工務店と安藤ハザマの2社の事業提案を審査。「バリアフリー対策」や「工程計画」などで竹中工務店が高得点を得たという。これに対し、安藤ハザマの提案は総事業費が数十億円ほど安く、工期も1カ月早かった。市は2社を比較したところ、竹中工務店の提案がより実現性が高いと判断した。

市は4月、木造復元の是非を問う市民アンケートや報告会を実施し、理解を求めていく。さらに市は近く、市の補正予算案に設計費を計上する方針で、財源や計画の妥当性など市議会での審議が本格化する。現存の天守閣を解体し、木造復元するには文化庁の許可が必要だ。計画では10月にも文化庁の許可を得たうえで、来年の6月にも解体工事が始まる工程となる。

同社の岡田正徳副社長は市役所内で記者団に対し、「実現に向けて努力していきたい」と話した。

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