2019年4月22日(月)

教訓生かせず悲劇再び 名古屋中1自殺

2016/9/3 1:23
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2013年に名古屋市で起きた中2生徒のいじめによる自殺の教訓を生かせず、悲劇は繰り返された。生徒のSOSを見逃さず、どう気づけばいいのか。再発防止に向け、教育現場に重い課題を突きつけている。

名古屋市は13年以降、少人数学級の導入や市立中学校にスクールカウンセラー(SC)の常駐などの取り組みを始めた。その一環として、市立小中学校では学校生活に関するアンケート調査を実施。自殺した生徒も調査を受けていた。

昨年6月は「学校生活に満足していない」との判定が、亡くなる前の10月上旬ではいじめ被害の可能性のある「要支援」に悪化。その結果を学級担任が目にしたのは、生徒が自殺するわずか3日前の週末だった。学校側はそもそも「いじめ」に気付いておらず、具体的な対策を取るには時間があまりにも少なすぎた。

こうしたシグナルを把握する仕組みが機能しなかった背景として、今回の報告書が指摘したのは「学校で起きたことはまず教師だけで対応する傾向が強い」という現場の実態だ。再発防止策として、専門職との連携が必要との意識改革を求めたほか、「学校現場を見守る多くの目が必要」と提言した。

全国で今なお、いじめは後を絶たない。愛知県では1994年、当時中学2年生だった男子生徒がいじめを苦に自殺。最近では青森県の中学2年の女子生徒がいじめを訴え自殺した。14年度に全国の小中高校などで把握したいじめ認知件数は約18万8000件。13年には、いじめ防止対策推進法が成立したとはいえ、いじめ根絶には程遠い。

思春期の子供の感情は揺れ動きやすく、シグナルに気づくには洞察力などの資質向上が不可欠だ。明治大学の内藤朝雄准教授は「学校空間を社会にもっと開かれたものにすることが大切だ」と指摘。子供たちにとっても大人に安心して、悩みを相談したり、SOSを発信したりする仕組みづくりも社会全体に求められている。

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