常陽銀・足利HD統合認可、まず投信販売などで連携

2016/9/30 7:00
保存
共有
印刷
その他

常陽銀行と足利銀行を傘下に持つ足利ホールディングス(HD)の経営統合が29日、金融庁から銀行法に基づく認可を受けた。これを受け、足利HDが10月1日に常陽銀を子会社化して社名を変え、共同持ち株会社「めぶきフィナンシャルグループ(FG)」となることが正式に決まった。相乗効果を出すためまず、投資信託の企画・販売など営業連携に取り組む。

経営統合の認可書は29日午後、関東財務局(さいたま市)で小野尚局長から、足利HDの松下正直社長と常陽銀の寺門一義頭取に手渡された。

記者団の取材に寺門頭取は「限られたメンバーで今回の(経営統合の)件を検討しだしてから21カ月、やっとここまできた。高揚感が一段と高まっている」と応じた。松下社長は「今の気持ちを忘れずに、具体的な施策を着実に実行しながら地域経済の発展に寄与したい」と気を引き締めた。

人口減少やマイナス金利政策による収益圧迫などで金融機関を取り巻く状況が厳しいなか、めぶきFGが早速直面するのは統合効果をいかに引き出すか。その試金石として、常陽銀と足利銀は29日、当面の営業における連携策を打ち出した。

目玉となるのが、10月3日から両行と常陽銀子会社の常陽証券(水戸市)の3社で販売する、投資信託商品「ふたつの夢」。運用はめぶきFGの筆頭株主・野村グループ傘下企業が担う。

ファンドの投資先は先進国の債券が7割。残り3割を茨城・栃木両県に本社や主要工場などを置く約240社の株式として地元顧客へのメリット還元を訴える。こうした「ご当地ファンド」は常陽銀が茨城県内企業を対象とした例はあるが、足利銀や茨城・栃木両県での組成は初めてとなる。

11月21日まで2カ月弱での販売目標は200億円以上で、営業力が問われる。常陽銀の2015年度の投信全体の販売実績は2040億円、足利銀は同1250億円で残高では3200億円弱とともに地銀上位。常陽銀は「投資対象の地元企業の従業員にも営業をかける」とし、足利銀も販売員研修などでの野村との提携を生かして売り込みに力を入れる考えだ。

期間限定で、低金利下では比較的利ざやが稼げる無担保ローンの金利を割り引いたり、法人向けインターネットバンキングの契約料や月間手数料を無料にしたりする販促も展開。収益力向上の起爆剤とするとともに、統合後に商品の共通化や新サービスの共同開発を進める第一歩にもする。

統合による相乗効果では、法人顧客についても「メーンの取引先が倍増しビジネスマッチングの機会が飛躍的に増える」(寺門頭取)、「事業承継、M&Aでもより深度の高い結びつきがができる」(松下社長)と意気込む。統合の果実を得るスタートが切れるか、本気度が問われる。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]