2018年8月20日(月)

都の五輪5施設が赤字見通し 大会後、黒字は有明アリーナのみ

2017/3/30 7:00
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 東京都は29日、2020年東京五輪・パラリンピックの競技会場のうち、都が整備する6施設の運営計画案を発表した。バレーボール会場の有明アリーナ(江東区)以外の5施設で五輪後の年間収支は赤字になる見込み。小池百合子知事は五輪会場が負の遺産(レガシー)になるのを防ぐ意向を示しており、今後は収益性をいかに高めるかが焦点となる。

 都が計画案を示したのは五輪水泳センター(江東区)やボート・カヌー会場の海の森水上競技場(東京臨海部)、大井ホッケー競技場(品川区、大田区)など6施設。いずれも都が新設する会場で、このうち五輪水泳センターと海の森、有明アリーナの3施設は昨年、都の五輪調査チームによる会場見直しの検討対象となった。

 都は計画案で6施設の年間の来場者目標や収支見込みを示した。昨年5月には中間まとめとして海の森など4施設の来場者目標を出していたが、今回は施設に誘致する競技大会の数や観客数などの内訳を具体的に明示した。

 例えば、五輪水泳センターはワールドカップやアジア水泳選手権といった国際大会や日本選手権などの国内大会をあわせて年間100大会誘致し、競技利用で85万人の来場を見込む。サブプールやスタジオなど都民の個人利用は15万人で、計100万人の利用を想定している。ただ年間収支は6億円超の赤字となる見通しだ。

 海の森は国際大会4回、国内大会26回の年間計30大会を誘致し、年間35万人を集める計画。東京港の中央防波堤に建設中の海の森は交通アクセスの不便さが不安視されていたが、都営バス路線の拡充を検討するとした。海の森も年間収支は約1億6千万円の赤字を見込む。

 横浜アリーナ(横浜市)への変更も一時検討された有明アリーナは、唯一黒字を確保する見通し。バレーボールのワールドカップなど年間10大会を開催し、国内外のアーティストによるコンサートで89万人を集めるなど140万人の来場を見込む。年間収支は約3億6千万円の黒字となる見通しだ。

 ただ都の試算には厳しい声が早くも上がっている。試算を公表した会議の外部委員からは「黒字の必要はないが、健全な運営が必要」「一定の目標に達しなければ、施設を更新しないと決めるべきだ」などの指摘が相次いだ。

 1998年の長野五輪の競技会場は維持管理や改修に巨額の費用がかかり、負の遺産ともいわれる。東京五輪の競技会場も、20年大会後の運営で出る赤字分は都の財政支出を伴う。都は競技団体などとの連携で、各施設のさらなる収益性の向上を目指す方針だ。

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