2018年10月17日(水)

伊勢丹松戸店が来春閉店 市の支援見送り響く

2017/9/29 7:01
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伊勢丹松戸店(千葉県松戸市)が2018年3月21日で閉店することになった。郊外の大型店への顧客流出やインターネット通販の拡大に伴う百貨店離れを食い止められないと判断した。松戸市が検討していた同店への賃料支払いによる支援策が市議会で見送られ、三越伊勢丹ホールディングス(HD)は撤退を決断したもようだ。

伊勢丹松戸店は1974年に開業した。JR松戸駅から徒歩5分の場所にある。延べ床面積は3万平方メートル強。人口の増加にあわせて売り上げを伸ばし、95年には新館を増床。ピークの97年3月期の売上高は336億円だったが、17年3月期は半分の181億円に落ちこんでいた。

撤退の決め手となったのは松戸市が提案していた同店への支援案が立ち消えになったことだ。市は店舗の一部フロアに市の施設を移し、10年間で計21億円の賃料を補助する内容を盛った補正予算案を9月に提出した。だが市議会がこの案を認めず、支援は見送られた。

JR松戸駅は県内で6番目に多い1日約20万人が乗降するが、同店は駅前の好立地を生かせなかった。千葉県柏市や埼玉県越谷市など郊外の大型ショッピングセンター(SC)の開業で若年顧客が流れたほか、ネット通販市場の拡大で集客力が低下。東京駅まで電車で30分という近さも重なり、顧客の流出に歯止めがかからなかった。

同店は30~40歳代を中心としたファミリー層の集客をてこ入れするため、13年に店舗を改装した。子ども向けの室内遊び場を設けたり、高層階が一般的なおもちゃ・子供服売り場を婦人服売り場に近い低層階に移したりしたが「効果は限定的だった」(三越伊勢丹HD)。

伊勢丹松戸店が入居するビルは投資ファンドが所有する。同店は原状回復したうえで完全に撤退する方針だ。

千葉県内では16年にそごう柏店(柏市)、17年3月に三越千葉店(千葉市)が相次ぎ閉店。西武船橋店(船橋市)も18年2月末での閉店を予定している。伊勢丹松戸店まで閉鎖すると、県内に残る百貨店は千葉市のそごう、船橋市の東武、柏市の高島屋の3店となる。

松戸市の本郷谷健次市長は28日、伊勢丹松戸店の閉店について「残念だが、中心市街地の活性化など行政課題の解決へ引き続き頑張っていく」とのコメントを発表した。市内の商店街関係者は「地元の天守閣がなくなり一つの時代が終わる。伊勢丹を引き留める地元の協調体制が整わなかった」と惜しんだ。

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