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弘前大、短命県返上へ新健診モデル

平均寿命が全国最下位の青森県で唯一の医学部を持つ弘前大学は「短命県返上」をめざし、新しい健康診断モデルを開発している。直ちに健診結果を示し、即日、健康講座と医師の個別指導を実施。さらに2週間ごとに健康情報を提供するなど、健康教育・啓発に重点を置いたのが特徴だ。

弘前大は新健診を「啓発型健診」と名付け、従来の健診と違う特徴として(1)即時性=健診結果をその日に返す(2)包括性=メタボリック症候群、ロコモティブ症候群、口腔(こうくう)、鬱・認知症を総合的に健診(3)啓発性=健康啓発・教育の第一歩とする――の3つを掲げる。

18日に地元医療機器販売会社の社員約70人を対象に実証実験を行った。血液検査や尿検査、心電図のほか、一般の健診にない骨密度や体組成の測定、歯科診察、認知症検査なども実施した。検査は一般の健診の2倍の約70項目に及ぶという。

実証実験では、健診を開始して本人に結果を示した後、新健診開発を指揮する中路重之医学部教授が全体講習を行い、「健康は自分でつかみ取るもので、そのためには正しい知識を持つ必要がある」などと、新健診の意義や意識改革を訴えた。

その後、全員に(1)メタボ・ロコモ(2)鬱・認知(3)歯科口腔――のテーマ別講習を行い、検査結果が悪かった十数人には医師が個別指導を行った。健診開始からテーマ別講習終了まで4時間程度で完了した。

受診者には今後、健康づくりのヒントや関連コラムを記載した冊子を2週間ごとに届ける。さらに、健康データや生活習慣の改善状況などを検証し、改めて指導するフォローアップ健診を実施する。弘前大は2017年度中に啓発型健診を完成させ、18年度から県内はじめ全国への本格普及に取り組む方針だ。

啓発型健診の目的は健康増進だけではない。消費者の健康への関心を高め、それに応える新製品・サービスを産学協同で創出することも狙いだ。中路教授は「美術の素養のある人がその価値を認めて美術展を訪れたり絵画を購入したりするように、健康も正しい知識があって初めてニーズが生まれる」と話す。

実際、18日の実証実験では、花王ライオンエーザイなど健康関連の大手企業約10社が将来のビジネスチャンスを見据え、総計約50人の社員を派遣し、協力した。

弘前大は18年春、啓発型健診と関連商品・サービス開発の拠点「健康未来イノベーションセンター」を医学部敷地内に開設する。同センターは文部科学省の地域科学技術実証拠点整備事業に採択され、整備費など最大10億円が補助される。

青森県の三村申吾知事は同センター開設について「平均寿命の延伸だけでなく、ライフ関連産業の振興による地域経済の活性化にも弾みがつくと大いに期待する」とコメントしている。

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